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求められる課題解決の力

 では、今、どういう学力が求められているのでしょうか。
 生徒の皆さんが学ぶ教科書は文部科学省の示す「学習指導要領」というものを受けて作られています。「学習指導要領」でAについて学習する必要があると示されると、教科書にAのことが載るようになります。
 その「学習指導要領」に影響を与えるのが、「中教審答申」です。これは専門家の人たちが集まって、教育について議論し、「これからの教育はこうあるべきだ」と示したものです。平成28年に示された「中教審答申」には次のようにあります。

 “今学校で教えていることは時代が変化したら通用しなくなるのではないか”といっ
    た不安の声もあり、それを裏付けるような未来予測も多く発表されている。
 
 現代は、時代の変化が速く、学んだことが役に立たなくなるのではないかという指摘です。このような時代だから、次のことが求められます。

 解き方があらかじめ定まった問題を効率的に解いたり、定められた手続を効率的に
 こなしたりすることにとどまらず、直面する様々な変化を柔軟に受け止め、感性を
 豊かに働かせながら、どのような未来を創っていくのか、どのように社会や人生を
 よりよいものにしていくのかを考え、主体的に学び続けて自ら能力を引き出し、自
 分なりに試行錯誤したり、多様な他者と協働したりして、(中略)よりよい社会と
 幸福な人生の創り手となっていけるようにすることが重要である。
 
 長い1文ですが、要は今までの学力にとどまらず、課題を解決する力を付けることが大切であるということです。とても難しいことが教育に課せられました。なぜなら、課題を解決するのは、大人でも簡単ではないからです。
 次回はもう少し、このことを掘り下げて考えてみましょう。 校長 見目 宗弘