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2020年6月の記事一覧

最適な勉強方法は目的や内容によって変わる

 さて、いよいよ第3部の勉強方法に入ります。
 方法を考える上で大切なのは、目的や内容が違えば最適な勉強方法も変わるということです。また、一人一人の情報処理の仕方も違うので自分にあった最適な勉強方法も違います。そのためネットで「勉強方法の本」と検索すると非常にたくさんの本が検索され、たくさんの方法があることがわかります。
 ここでは、勉強方法をカタログ的に示すのではなく、勉強法を考える上で基本となる大切なことをおさえていきたいと思います。具体的な方法については生徒の皆さんが「自分にあった方法」を試行錯誤しながら見つけていってほしいと思います。(後に述べますが、この試行錯誤という手続きが今、求められている学力ではとても大切なのです。)
 以下、勉強方法について、大きく4つに分けて述べていきます。勉強について、理解について、定着について、応用についての4つです。    校長 見目 宗弘

生徒集会・生徒会専門委員会実施


 今年度初めての生徒集会を校内放送で行いました。生徒会役員の話が主で、今年度のスローガン「ONE TEAM 自由な心でつくりあげる みんなの豊中」も発表されました。いつもの年のようにいかないことが多く、苦労することも予想されますが、全校生徒心一つに頑張ってほしいと願っています。

 終了後生徒会専門委員会が続き、それぞれ組織づくり、活動計画立案などを行いました。今後、各自責任をもって活動に取り組んでくれることを期待しています。

学校支援ボランティア募集(お知らせ)

 日光市教育委員会事務局生涯学習課より

 この事業は、「地域と学校が協力・連携して、日光に住む大人たちが、
日光の子どもたちをみんなで応援しよう。」という事業です。

 興味がある方は、
 生涯学習課 21-5182
 にお問い合わせ下さい。

 また、募集チラシが学校に数枚届いています。
 興味がある方は、連絡下さい。(担当岩井)

 ボランティア例
 農園活動ボランティア
 読み聞かせボランティア
 花壇の整備ボランティア・・・様々あります。

根気という学力

 努力し続けるには根気が必要です。この根気を岸本裕史氏は「見えない学力」と言いました。岸本氏は学力を支える大切なものとして3つの「見えない学力」をあげています。言語能力、根気、先行経験です。見える学力を上げるにはこれら3つの「見えない学力」を大切にする必要があると言います。
 岸本氏は根気を「深部の学力」と呼びます。
 
 そして、家庭で毎日、何かの仕事をきちんと当てがうことです。すると、仕事だけで
 なく、勉強もおしまいまでちゃんとやり通す根気ができてきます。(中略)しつけ
 は、勉強と無関係のように見えますが、じつは"深部の学力"なのです。p.18
  『家庭でのばす見えない学力』岸本裕史著(小学館)
 
 勉強量を確保するには根気が必要で、その根気をつけるには、仕事を最後までやり通すことが必要である。つまり、「勉強ができるようになるには生活をしっかりすることが必要である」という結論です。
 これは詩人の大岡信さんが「言葉の力」というエッセイで書いていたことと同じです。桜の木は花のピンク色を出すために木全体でピンクになっている、人間の言葉も同じだと大岡さんは言います。勉強も同じです。自己を律する生活をすることで、根気強く努力を続けることができるようになり、勉強の花が咲くのです。生活が勉強の花を咲かせています。
 特にがまんの「入力の時期」。自分を律する生活をし、根気をつけていきましょう。
                         校長 見目 宗弘

努力しても結果が出ないとき

 勉強量を増やせば、学習の成果も出る、そう考えたいですが、残念ながらそうならない時もあります。特に勉強を始めた最初の段階がそうです。そんな状態を予備校講師の安河内哲也氏は次のように説明しています。

 当たり前の話ですが、勉強というのは基礎からやらなくてはいけません。その基礎を
 学んでいる3ヵ月、5ヵ月というのは、成績が上がらない。基礎が身に付いて、模試
 のレベルに近づいてようやくバンと上がるのです。p.121
 『今日から始める「やる気」勉強法』

 ある程度、わかってきてから一気に分かるようになるのです。そのため時間がかかるのです。漆校長先生はこのことを「入力の時期」「出力の時期」とダムにたとえています。

 あるときを境に急速に成績を伸ばす生徒を、いままで何人も見てきました。この子た
 ちに共通することは、本人が意識している、していないにかかわらず、それまでの隠
 れた積み重ねがあることです。(中略) ダムにたとえれば、最初のうちは、水をため
 る「入力の時期」が長く続き、ある日を境に、大量の水を放水できる「出力の時期」
 がくるようなものです。pp.163-164
 『伸びる子の育て方』品川女子学院校長漆紫穂子著(ダイヤモンド社)

 「入力の時期」はどの世界にも共通のものです。大人でも新しい職場では、物のある場所さえわからずに思うように仕事ができません。中学生なら部活動に入部したときがそうです。一通り分かるには時間がかかるのです。それが「入力の時期」です。
 この間は根気強く努力を続けなければなりません。「やる気をキープするための努力の貯金」でも書いたように今までの頑張りを振り返り、意欲をキープし続けることです。                        校長 見目 宗弘

交通安全教室開催


 昨日、1年生を対象に交通安全教室を実施いたしました。日光市から3名の交通教育指導員を招き、安全な自転車の乗り方などに関して御指導いただきました。自転車点検時のポイントについて説明を受けた後、校庭に設置した模擬道路を使って、実際に自転車走行をしました。生徒達は、途中チェックポイントを通過しながら、一時停止や左右後方の目視など、走行時の留意点を確認しました。

 

小さな時間を有効活用

 ふだん見過ごしているちょっとした時間を活用するという発想があります。社会人に向けて書かれた『すごい「勉強法」』高島徹治著(三笠書房)という本に示されていたことです。この本の中では時間が3つに区分されています。大時間、中時間、小時間です。大時間は土曜日や日曜日等、1日をフルに使える時間です。大時間の時間の中ではまとまった作業をすることができます。中時間は平日の家に帰ってからの時間です。約2、3時間。ある程度のことができます。小時間は15分前後の時間です。高島氏はこの時間を次のようにいいます。

 「勉強のできる人」と「できない人」の差は、小時間(細切れ時間)の使い方にあ
 ると言っても過言ではありません。p。138

 
 高島氏は、多くの人はこの小時間に気づいていず、「時間がない」と言っていると言います。
 小時間は作業をするには短か過ぎる時間です。この時間は電車を待つ間とか外に出かける前の時間とか、ちょっとした隙間の時間で、机で勉強できないような細切れの時間です。
 けれど、この時間に合った学習をすれば、小時間も有効な学習時間となります。例えば、暗記です。何かを暗記する時間として活用すれば、時間的にもちょうど良い時間となります。そのためには、中時間や大時間にその準備をしておくことが必要です。
 時間を上手に活用することで、限られた時間の中で量を確保することができます。
                         校長 見目 宗弘

部活動再開

 先週は、体を慣らす意味合いもあって、部活動はありませんでした。昨日から、まだ短い時間ながらも部活動を再開し、1年生も部活動見学を始めました。校舎内には吹奏楽部の楽器の音色が、校庭や体育館では運動部員の元気な声が響いていました。人との距離や対話などに注意しながらも、徐々に以前までの学校生活を取り戻しつつあります。

勉強の効果を倍増させる読書の習慣化

 スマホとは反対に実際に行った勉強の効果を倍増させる方法があります。それは読書です。読書は脳全体を使った活動です。読書の時間は脳がトレーニングをしているのと同じ状態になります。『最新脳科学でついに出た結論「本の読み方」で学力は決まる』川島隆太監修、松﨑泰・榊浩平著(青春出版社)には次の説明があります。

 
 本を読むとブローカ野、ウェルニッケ野、前頭前野という脳の大都市間に言語情報 
 が駆け巡ります。つまり、読書を毎日することで言語能力に関する神経迂回路網を
 走る情報の交通量が増大し、脳の大都市間をつなぐ太く強固な神経線維の束による
 高速道路が開通するというわけです。ちなみに、一般に言われる「頭の回転が速
 い」人は、ものごとを理解するのが速かったり、話の要点をつかむのが上手だった
 りしますよね。脳科学的には、読書を通した言語能力に関する神経回路の強化が、
 そのような頭の回転の速さにもつながる可能性があると言えるでしょう。pp.
 99-100

 
 読書を習慣化し、その上で勉強すると努力が結果に反映されやすくなります。       
                       校長 見目宗弘

努力を台無しにしてしまうスマホの長時間使用

 勉強時間を確保しても、その努力が無駄になってしまうことがあります。昨年度の学校だよりでもお伝えしたスマホやゲームの長時間使用です。スマホやゲームを1時間以上使用すると脳の活動が抑制されてしまうので、勉強の効果がなくなってしまうのです。
 このことを川島隆太先生の『スマホが学力を破壊する』(集英社新書)をもとに再確認していきます。川島先生は平成25年度、仙台市立中学校に通う全生徒2万2390名の仙台市標準学力検査、仙台市生活・学習状況調査の結果を分析して、学力と生活習慣との相関関係を次のようにまとめました。まずは全体的な相関関係です。

 児童・生徒の学習意欲を向上させるためにまず肝心なのは、基本的な生活習慣でし
 た。特に朝食の習慣です。家族で一緒に豊かな朝食を食べることが、子ども達の学習
 意欲を向上させ、結果、学力も向上します。次いで大切なのは、家族とのコミュニケ
 ーションでした。話をきちんと聞いてくれる家族がいる子ども達の学習意欲が高いこ
 とがわかりました。プロジェクト開始当初は、学校で教師が子ども達にどう接する
 か、どのような授業を行うか、どのようなクラスを運営するのかが、子ども達の学習
 意欲に強く関わるとばかり思っていたのですが、答えは違っていました。家庭で家族
 がきちんと子どもと向き合うことが、子ども達の学習意欲の源泉だったのです。p
 p.16-17

 そして、勉強時間とスマホとの相関関係です。
 
 最初にわかることは、自宅学習時間が長いほど成績が良いという当たり前の事実。次
 いでわかるのは、自宅で勉強しようが、するまいが、携帯・スマホを使う時間が長い
 生徒達の成績が悪いという事実。さらに細かく読み取っていくと、たとえ家で2時間
 以上勉強したとしても、携帯・スマホを3時間以上つかってしまうと、ほとんど家で
 勉強をしないけれども携帯・スマホを使わない生徒達の方が、成績が良くなってしま
 うという事 実。p.18
 
 スマホを3時間以上使うと勉強を2時間以上しても、ほとんど勉強しない生徒の方が成績が良くなってしまうというのはショックです。
 先ほど脳の活動が抑制されると書きましたが、スマホやゲームの長時間使用は情報処理をし、思考の中枢を担う前頭前野に影響を与えてしまうからです。
 
 しかし、ゲームに慣れたとたんに、前頭前野が活動しなくなるばかりか、何故か逆
 に、安静時よりも活動量が少なくなる前頭前野の「抑制現象」が生じたのです。どの
 ようなゲームでも前頭前野に強い抑制がかかりました。p.180
 
 こうなると、ただ単に勉強時間を増やせば良いということではなくなります。効果が出るように生活を整えてから、勉強時間を増やすということが大切になります。脳の抑制に影響が出ないスマホ等の使用時間は1時間未満だと言われています。
                       校長 見目 宗弘