過去のブログ

2020年6月の記事一覧

フェイスシールド着用

 昨日の3年生の国語の授業で、以前渡辺産業様よりいただいたフェイスシールドを着用しました。話し合い活動中飛沫が飛び散らないようにとの配慮で使用しましたが、慣れないためか、戸惑いも見られました。今後も、生徒の健康安全のため有効に活用できればと思っています。

 暗記のポイント3 海馬をダマす(1)繰り返し覚える

 海馬の特性を活かす勉強法とは全く反対の勉強法があります。それは海馬に「必要なもの」として仕分けしてもらうために、海馬をダマす方法です。

 
 では、学校で教わる知識を、海馬に「必要なもの」として仕分けしてもらうために
 は、一体どうしたらよいのでしょうか。(中略)その方法はたった一つしかありま
 せん。海馬をダマすしかないのです。p.30『最新脳科学が教える高校生の勉強
 法』池谷裕二著(ナガセ)

 
 ダマす方法は繰り返すことです。池谷先生は言います。

 
 海馬に必要だと認めてもらうには、できるだけ情熱を込めて、ひたすら誠実に何度
 も何度も繰り返し繰り返し、情熱を贈り続けるしかないのです。そうすると海馬
 は、「そんなにしつこくやって来るのだから必要な情報に違いない」と勘違いし
 て、ついに大脳皮質にそれを送り込むのです。古来「学習とは何か」に対して、
 「学習とは繰り返しである」と言われてきたのは、脳科学の立場からもまったくそ
 の通りだと言えます。p.31

 
 今まで、漢字や計算練習など繰り返すことで覚えられたのは、海馬が漢字や計算を「必要なもの」と認めてくれたからです。池谷先生は言います。

 
 つまり成績がよい人とは、忘れても忘れてもめげずに、海馬に繰り返し繰り返し情
 報を送り続けている努力家にほかならないのです。p.31

 
 努力の中身は海馬に認めてもらうということだったのです。 校長 見目 宗弘            

暗記のポイント2 海馬を活かす 寝る前の暗記学習

 海馬は大切な情報を選別するので、覚える量を減らすというのが、前回の方法でした。もう1つ、海馬の特性を活かした暗記方法は寝る前に暗記学習をするということです。これは海馬が寝ている間に情報を整理してくれているという特性を活かした暗記方法です。

 
 『記憶力を強くする』などの著書がある脳研究者の池谷裕二・東大准教授による
 と、脳は眠っている間に、日中経験したことを再生していることが分かっているそ
 うです。睡眠は脳の情報を整え、記憶を強化するために必須な過程で、特に再生し
 ているのは寝る直前の時間帯の情報。そう聞くと、寝る前に勉強した方が効果的な
 気がします。(中略)テスト前の緊張で「寝なければ」と気ばかり焦り、眠れない
 経験をした人もいるでしょう。でも、電気を消し、布団に入って寝るふりをするだ
 けでも、脳内の情報整理には効果があるそうです。「ただし、ラジオを聞いたり、
 本を読んだりしたらだめ。睡眠の効用は期待できません」。池谷准教授は、そう話
 します。「記憶法①眠ってアマタを整理」『読売新聞』2011年(平成23年)
 4月1日(金)

 
 塾講師の安河内哲也先生もこのことを実証するように勉強の体験を示しています。

 
 暗記の方法は様々ありますが、私は受験生のとき、山川出版社の世界史の教科書を
 自分で朗読したテープを作り、それを寝る前に枕元で再生していました。朝起きて
 すぎに、またその部分を確認すると、ちょっとした時間ですが、かなり記憶を定着
 させることができます。p.132『今日から始める「やる気」勉強法』
 
 寝る前を暗記のためにうまく活用している人は多いようです。
 
・寝る前にただ聞くだけで覚える⁉ 藤田智泰(仮名)・文科2類1年
 眠りながら記憶する方法
 英語の勉強において、多くの東大生が口をそろえるのは「英語は英文をそのまま理
 解し、覚えていくべき」ということ。英単語を細々と調べ上げ、英文を文法に沿っ
 て解体して和訳し、1つひとつの単語を記憶して……などというやり方は、NGとい
 うわけだ。実際、英語の長文をスラスラと読み解くには、英文全体を見るだけで意
 味がわかるようになっている必要がある。そのためにも「英文のまま理解し、覚え
 る」ことが重要というわけだ。p.32
・「重要英文は、寝る直前に耳で聞いて覚えていました。眠くなったら、英文リスニ
 ングの用意をし、聞きながら寝るというのを日課にしていた。眠いながらも、毎日
 毎日何度も聞いていれば、自然と頭に入ってくるものですよ」。p.33
・「就寝前に聞く英文は、完全に理解しているものを選んでいました。これなら、新
 たに頭を使う必要がない。既に理解している重要英文20コぐらいを、毎日30分
 かけて聞く。同じ英文を2ヵ月ぐらいかけて、毎日繰り返し耳に入れるわけです。
 すると、英文全体の音の流れが覚えられる。"記憶しなくては"などと意識せず、本当
 にただ聞いているだけという状態でいるのがコツです。まあ、もともと眠いなかで
 リスニングをしてい るのですから、ただ聞いているだけしかできませんけどね
 (笑)」。p.33『東大生が選んだ勉強法「私だけのやり方」を教えます』東大
 家庭教師の会著(PHP)

 
 海馬の働きをうまく利用することで結構覚えられるようです。 校長 見目 宗弘


暗記のポイント1 暗記する量を減らすこと

 海馬が側頭葉に情報を保存することをなかなか認めてくれない性質をふまえると、暗記のポイントは「覚える情報を減らすこと」です。何でも覚えられると過信してしまうと覚えるのに苦労するからです。
 
 4年前から記憶術のセミナーを開く宮口さんは、勉強が苦手な子ほど何でも覚えよう
 とすることに気づきました。「それではマラソンを全速力で走ろうとするようなもの
 で、受験は乗り切れない」。宮口さんは断言した後、思いがけない言葉を口にしまし
 た。「覚え過ぎてはいけないのです」(中略)覚え過ぎないを実践するには参考書を
 吟味し、覚えなくてはいけないものと、覚えなくていいものとに分ける必要がある。
 そのためには、過去の出題問題の研究がかかせない。  「記憶法⑭ 最低限の項目の
 み」『読売新聞』2011年(平成23年)7月8日(金)
 
 引用文には、入試に向けて過去の入試問題を分析し覚えることをしぼりこむとあります。これは校内のテストでも同じです。
 
 椋木さんによると、重要な情報をすぐ忘れてしまう人は、情報の選択を脳の自動処
 理に丸投げしている場合が多い。記憶力を高めるには、意識的に情報の選択を行わな
 ければならず、椋木さんはこの作業を、「脳に記憶フィルターをセットする」と呼ん
 でいます。ポイントは、どうやって記憶するかよりも、どう整理すれば記憶しやすい
 かと発想を転換すること。整理の基本は、いらない情報を捨てること。(中略)「情
 報が必要か不要かを『分ける』ことは『分かる』につながり、『解る』になる」と椋
 木さん。 「記憶法71必要な情報か分別」『読売新聞』2012年(平成24年)
 10月6日(土)
 
 上の引用もこの引用も、海馬が行っている情報の選別を自分自身で行うというところに特徴があります。海馬の特性に即した暗記法です。   校長 見目 宗弘

記憶の仕組み

 生徒の皆さんは、繰り返し練習して覚えることはもう何度も行っていることと思います。しかし、記憶の仕組みを理解して実行している中学生は少ないのではないでしょうか。仕組みを知れば、効果的な暗記をすることができます。そこで記憶の仕組みについておさえていきます。
 記憶は脳の大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)、大脳皮質(だいのうひしつ)という部分がかかわります。大脳辺縁系の中で特に記憶に関わるのは海馬です。海馬は睡眠時間が長いと大きくなり、短いと小さいです。大きさが生活習慣に影響されます。大脳皮質には前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉、左脳、右脳があり、この中で特に記憶に関わるのは側頭葉です。記憶は海馬→側頭葉という順に記憶されます。 
 
 私たちが文字を見たり、音を聞いたりと、その情報を最初に処理する場が海馬であ
 って、海馬は脳の番人のようなものです。たとえば、ある単語を見たとき、海馬は
 その際、「知っているか、いないか」「忘れているか、いないか」を判断します。
 では、どうやって判断するかというと、まず海馬は前頭葉に問い合わせを行いま
 す。前頭葉は記憶の司令塔のようなもので、保存場所である側頭葉の中を調べま
 す。その単語が側頭葉に保存されていないものならば、その単語は記憶されていな
 いものですから、前頭葉は側頭葉にとりあえずは保存するように指示します。海馬
 自体も記憶を保存できるのですが、それは一時的なもので、長く記憶できる保存先
 が側頭葉なのです。いわば、側頭葉は「記憶の倉庫」と言える存在です。
 ・海馬……一時的な保存場所
 ・側頭葉……ある程度長期的な保存場所
 脳が最初に記憶事項を取り扱うのは脳の番人である海馬ですが、学習に必要なのは
 いかに側頭葉に記憶されるか、なのです。pp.57-58
 『奇跡の記憶術 脳を活かす奇跡の「メタ記憶」勉強法』出口汪著(フォレスト出
 版)
 
 海馬に保存された記憶は短期記憶と言われ、側頭葉に保存された記憶は長期記憶と言われます。側頭葉が長期記憶の保存場所で、テストに必要な記憶は側頭葉に保存されなければなりません。ポイントとなるのは脳の番人の海馬です。しかし、その海馬は記憶する情報の選別の基準が厳しいのです。
 
 通行許可の判定基準はなんと、「生きていくために不可欠かどうか」なのです。 
 (中略)「英単語のひとつやふたつ覚えなくても命に別状はない」といって通して
 くれません。短期記憶から長期記憶になることが許されないのです。pp.25-
 26『最新脳科学が教える高校生の勉強法』池谷裕二著(ナガセ)
 
 海馬に認めてもらえるのは「生きていくために不可欠なもの」だけです。暗記をしてもなかなか覚えられないのはそのためです。海馬はいじわるかというとそうではなく、実は海馬にも事情があります。側頭葉に記憶できる量が限られているため、記憶する情報を制限しなければならないのです。だから、海馬は不必要なものをどんどん忘れていきます。                                     校長 見目 宗弘

理解の当面のゴールはトップダウンの情報処理である(3)

 残念ながら教科書には「リード文」がありません。それは、最初に答えがわかってしまうとつまらないから、1つ1つ発見していけるように、教科書が構成されているためです。
 リード文は自分で作るしかないです。自分で作る場合、最初には作れません。内容を知らないからです。単元の区切りや終わりにノートにまとめていくことになります。まとめながら、学習内容を整理するので、理解が深まります。中学1年生や2年生で作ったノートはとっておき、入試の勉強のときに使いましょう。まとめを読むことで、自分で作ったリード文を読むことになり、一気に学習内容を思い出すことができます。まとめの文がリード文としての役目を果たします。
 参考として、新聞に載っていたまとめについての記述を示します。

 
 社会 教科書や単元や内容の区切りのよいところで、基礎知識を定着させるための
 「まとめノート」を作りましょう。まとめノートを作ると、細かな知識が整理さ
 れ、全体像や流れがつかみやすくなります。さらに、ノート作りは、要点をつかん
 で端的にまとめる練習になり、記述問題に対応できる力を養うことにもつながりま
 す。 開倫塾 渡辺裕子「社会は『音読とノート作り』」『読売新聞』2014年
 (平成26年)5月9日(金)

 
 理科 これらを全て正解するには、語句と公式に加えて、実験や観察の方法・手
 順、経過と変化の理由、注意点とその理由、結果とその考察、グラフや表の読み取
 りを総合的に理解し身に付けていることが不可欠です。そこで実行してほしいのが
 次の学習です。
 ①教科書の内容を、実験や観察、グラフ、表、写真などを含めて隅から隅まで丁寧
 に何度も読む。②実験器具の使い方、実験方法、観察の手順、結果をノートにまと
 める。頭にイメージが残りやすいように、図やグラフも手描きする。
 開倫塾 徳田進「理科 総合的な理解必要」『読売新聞』2015年(平成27
 年)5月22日(金)

 
 これらのノートがあれば、トップダウンの情報処理ができます。  校長 見目宗弘

 理解の当面のゴールはトップダウンの情報処理である(2)

 先の文章は洗濯について説明した文章です。洗濯とわかるとどうでしょう。文章が一気に理解できます。これがトップダウンの情報処理です。学習内容の理解では、このトップダウンの情報処理を目指します。
 それには、ポイントがあります。大まかな理解から細部に入っていくのです。

 
 何よりも重要なことは、まず「勉強内容の全体像をつかむ」こと。p.3
 全体像を大まかに把握し、部分の学習に入っていく。それが「すごい勉強法」の基
 本です。p.24 『すごい「勉強法」』高島徹治著(三笠書房)

 
 これはちょうど新聞の「リード文」を読むようなものです。新聞には「見出し」「リード文」「本文」があります。「リード文」は「本文」を要約したものです。写真の赤で囲んだ部分です。


 「本文」を読む前に「リード文」を読むと、だいたいのことが理解できます。そして、だいたいを理解した上で「本文」を読むとすでにあらましを知っているから「本文」の内容が入ってきます。
 大まかに理解した上で、細かく理解していくことでトップダウン的に情報処理をすることができます。                校長 見目 宗弘

 理解の当面のゴールはトップダウンの情報処理である(1)

 2つの情報処理があります。ボトムアップ処理とトップダウン処理です。次の説明の通りです。

 
 私たちが何かを認識したり判断を下したりするときには、脳の中で2方向の情報処
 理が行われます。1つは物事を詳細に丁寧に分析する方法で、これをボトムアップ
 処理と言います。もう1つは自分の知識や経験などから判断を下す方法で、トップ
 ダウン処理と言います。知識はトップダウン的に効率よく情報を処理するのに不可
 欠なのです。いくつか例を挙げましょう。例えば、手書きの汚い文字が読めるの
 も、「ほら、あれが、あれして」といった情報に乏しい発言が理解できるのも、全
 部、トップダウン処理のおかげです。欠けている部分を知識や経験で補って,認識
 しているわけです。pp.5-6『学習支援のツボ 認知心理学者が教室で考えた
 こと』佐藤浩一著(北大路書房)

 
 この説明だけでは実感できないので、次の文章を読んでほしいと思います。認知心理学の実験でよく用いられる文章です。何について書かれているかわかりますか。

 
 その手順は全く簡単である。まず、ものをいくつかのグループに分ける。もちろ
 ん、ひとまとめでもよいが、それは、やらなければならないものの量にもよる。も
 し設備がないためどこかよそにいかなければならない場合には、それが次の段階と
 なる。そうでない場合は、準備はかなりよく整ったことになる。重要なことは、や
 りすぎないことである。すなわち、一度に多くやりすぎるよりも、少なすぎる方が
 よい。この重要性は、すぐにはわからないかもしれないが、面倒なことは、すぐに
 起こりやすいのだ。その上、失敗は高価なものにつく。最初は、その全体の手順は
 複雑に思えるかもしれない。しかし、すぐにそれは生活のほんの一面になるであろ
 う。近い将来、この仕事の必要性がなくなるとは予想しにくいが、誰もなんとも言
 えない。その手順が全て終わったあとで、ものを再びいくつかのグループに分けて
 整理する。次にそれらは適当な場所にしまわれる。結局、それらは再び使用され、
 その全体のサイクルは繰り返されることになる。とにかくそれは生活の一部であ
 る。(Bransford & Jhonson,1973)

 
 私は最初この文章を読んだとき「一文一文の意味はわかるけれども、全体で何を言っているかわからない」という状態でした。これがボトムアップの情報処理です。ボトムアップの情報処理では、1つ1つ積み上げても全体として何のことかがわからないという状態が生じてしまいます。数学の応用問題を解いているときや国語の現代文を読んでいるときの状態に近いと思います。「わかるんだけれどもわからない」という状態です。                    
                        校長 見目 宗弘

アウトプットで理解が確かになる

 理解はインプットですが、アウトプット、つまり、表現してみると理解しているかどうかがわかります。

 
 自分がわかっているのか、いないのか、どうももやもやしているというときに、説
 明できるかどうかでチェックしてみるというのはすごく大切な勉強法だ。pp.74
 -75『勉強法が変わる本ー心理学からのアドバイス-』市川伸一著(岩波ジュニ
 ア新書)

 
 相手がいる場合は、相手に説明し、一人の場合は、ノートに書き出してみると良いです。また、アウトプットは知識の定着にもなります。

 
 かいつまんで話す練習をしているうちに、知識も定着してくる。ところが、こうし
 た練習をくりかえし行っている授業はほとんどない。授業の多くは教師が話すだけ
 なので、知識が定着するのが、教師になってしまっている。(中略)はじめは、教
 師の答えを復唱するのでもよいから、口に出して論理的に説明してみる練習が必要
 である。pp.44-45 『子どもに伝えたい〈三つのつの力〉』斎藤孝著(NH
 Kブックス)

 
 かいつまんで話したりノートに説明を書き出したり、これらは見落としがちな勉強法ですが、理解を深め、知識を定着させる勉強法です。   校長 見目 宗弘

 理解は説明の仕方、説明内容、説明者に左右される(3)

 4 理解は感情に左右される
 理解が感情に左右されるのは、A10神経群と言われる脳の扁桃核(へんとうかく)と即坐核(そくざかく)が「おもしろい」、「おもしろくない」、「好き」、「嫌い」を判断するからです。これらがうまく機能すれば、好奇心が高まります。しかし、嫌いと思ってしまうと、「自己保存の本能」が働き、避けてしまうことになります。A10神経群は「自己保存の本能」を司るため、両刃の剣なのです。話を受け流すようにもなってしまいます。

 人間には自分を守りたいという自己保存の本能があります。しょっちゅう叱られて
 いると、脳は苦しくなって、脳自身を守るために叱っている人の話を受け流すよう
 になります。その状態が慢性化すると、だんだん人の話を真剣に聞かない脳ができ
 あがっていきます。p.73『〈勝負脳〉の鍛え方』林成之著(講談社現代新書)

 
 いつも叱ってばかりいる人が説明者だと、上記のように説明は全然入っていきません。説明者によって理解が左右されてしまうのです。
 また、数学の問題を見て、「難しい。」と思ってしまったときも、同じように「自己保存の本能」が働いてしまいます。


 「こんなむずかしいものはわからない。嫌いだ」と最初に否定的な「気持ち」が生
 まれると、自己保存の本能が働いて、それを避けたり、いいわけをして自分を守る
 行動をとります。p.80 『素質と思考の「脳科学」で子どもは伸びる』林成之
 著(教育開発研究所)

 
 嫌いなものから自分を守るために、問題文を粘り強く読み込むことができないのです。
 ただ、同じ問題を見て、粘り強く読める人もいるわけで、その違いはどこからくるのでしょうか。脳科学者の林先生は著書『素質と思考の「脳科学」で子どもは伸びる』(教育開発研究所)の中で、次のように説明しています。

 
 ここで、本来であれば、「正しい判断をする基盤となる統一・一貫性の本能の環境
 がおかしい」と前頭葉が判断し、「これはまずい……もっと勉強しよう」という
 「気持ち」が生まれてくるのです。ところが、少しくらい間違っても「まぁ、いい
 か」「だいたいできた」で終わらせてしまう学習をしていると、統一・一貫性の本
 能がゆるんだ状態となって、少しくらい間違っても気がつかないようになってしま
 います。p.80
 
 脳の前頭葉は「統一・一貫性の本能」を司り、筋が通っていて一貫した正しい判断を下す働きをしています。ふだんの学習で前頭葉を鍛えていないと、「難しい」という最初の印象を受けて、前頭葉が「この問題は難しい問題だ」と断定してしまうのです。しっかり読み込めば自力で解けた問題も、必要以上に難しい問題となり、理解できない問題となってしまいます。
 前頭葉を鍛えるにはどうしたら良いのでしょうか。林先生は次のように述べています。


 「統一・一貫性を望む本能」は、同じ遊びや練習、勉強をくり返すことによって鍛
 えられ、正しい判断力のレベルが上がってきます。ところが、目先の効率を重視し
 て、「同じ事をくり返すのは無駄だ」と思っている人が多く、「いつまで同じ事を
 やっているんだ!」という声が飛び交っています。これでは、普通の人には分からな
 い微妙な違いを 見分ける判断力を、本能のレベルから鍛えることができないた
 め、才能を持った子どもを育てることはできません。事実、たとえばアメリカ・メ
 ジャーリーグのイチロー選手のように超一流の人たちは、共通して、行動パターン
 や仕事の環境にまで一定に整え、無意識のうちに統一・一貫性の本能から判断力を
 高める習慣を持っています。pp.3 -4


 くり返しの学習の大切さを痛感します。       校長 見目 宗弘

理解は説明の仕方、説明内容、説明者に左右される(2)

 3 大切なポイントを理解する
 理解には理解のポイントがあります。それを押さえることで理解しやすくなります。
 認知心理学者の市川伸一先生は『勉強法が変わる本ー心理学からのアドバイス-』(岩波ジュニア新書)という著書の中で数学の理解のポイントを示しています。数学の勉強で大切なのは「日常モード」と「学問モード」の区別です。

 ぼくたちは、日常語については、定義をいちいち習わなくても、いろんな具体例を
 通して意味がわかっていることが多い。イヌの定義を聞いた覚えがある人はいない
 だろう。子どものころから「あれは、ワンワン」とか「あれは、ニャンニャン」と
 か教えられて,自分でも使っているうちに、意味をつかんでしまうのである。当然
 ながら、定義を求められてもうまく言うことができない。こういうのは、日常モー
 ドの学習といえる。一方、学校での勉強はだいぶようすが違う。数学をはじめ定義
 がたくさん出ている。もともとは、それぞれの学問の中で決められたもので、それ
 が教科書に書かれている。「……を○○という」というパターンになっているもの
 は、まず定義だと思ってさしつかえない。それを通して、意味を理解せよと言われ
 るのである。これが学問モードの学習だ。それまで日常モードでやっていた子ども
 にとってはかなりつらい。でも、とりあえず、この2つの習い方の違い、つまり
 「日常モード」と「学問モード」の違いを意識しておくこ とは大切だ。pp.68
 -69

 数学の勉強のポイントは「学問モード」の勉強に切り替えることです。

 習ったはずなのにわからない、説明できないという人は、勉強方法を直したほうが
 いい。日常モードでの学習に留まっている可能性が高いからである。学校で習う教
 科の世界とは、もう学問モードにはいっているのだ。もちろん、学問の世界とまっ
 たく同じではない。定義が簡略化されたり、あいまいにされたりしているところは
 あるが、少なくとも中学校、高校では、もうその入口から中にはいっている。p.
 73
 
 「学問モード」の勉強でかんじんなポイントは「定義と具体例」を押さえることです。

・学問モードでは定義をつかって学習やコミュニケーションがなされるんだけど、そ
 れだけじゃわかりにくいんで、具体例とセットにするわけだ。それが学び方の第一
 歩だよね。p.73
・では、うまく説明できなかったときは、どうするのだろうか。簡単なことである。
 教科書や参考書を見直してみればいい。とくに、定義と具体例に注意して読むの
 だ。ぼくが学習相談をする中で見ている限り、そうした読み方をしている生徒はほ
 とんどいない。数学や物理では、教科書などほとんど読まずに、問題を解いて答え
 合わせをしているだけという生徒がすごく多い。それでは先生の解説や、テスト問
 題の意味さえわからなくなってくるのも当然である。pp.73-74

 
 このように大切なポイントを押さえて理解することで、理解しやすくなります。
 各教科、それぞれの単元でポイントがあります。ぜひ、各教科の先生にポイントを教えてもらってください。4に続く。       校長 見目 宗弘

 理解は説明の仕方、説明内容、説明者に左右される(1)

 理解は理解すべきものの示され方によって、わかりやすくもなったり、わかりにくくなったりします。また、説明者にも左右されます。理解は感情に左右されるのです。そのことを見ていきます。

 1 簡単なことを先に理解し、難しいことを後から理解する
 理解には順番があります。簡単なことを先に理解し、後から難しいことを理解するという順番です。大まかに理解し、その後で細かく理解するということもそうです。実は教科書がこのように作られています。教科書は、簡単な問題から難しい問題へと配列されています。教科書をていねいに読み込んでいけば理解しやすいようになっています。


 2 適切な量を理解する
 また、理解には量も関係します。一度にたくさんのことを理解しようとすると理解しきれません。そのため、量をしぼりこんで理解することが良いです。これを実践に移すと次のようになります。

 参考書の内容をスムーズに理解する秘訣 添野航平(仮名)・文科1類1年
 小さな範囲を重点的に繰り返し読む
 「はやる気持ちに押されて、先へ、先へとひたすら進んでいくのは、私はあまりお
 すすめできません。1回の勉強時間単位で考えるなら、広範囲をザッと流すのでは
 なく、限られた範囲を重点的に何度も繰り返し勉強する方が、絶対的に効果的で
 す」。
 「例えば参考書を読むなら、すぐに頭に叩き込もうとするのではなく、初回は軽く
 読む程度に、回を重ねるごとに、深く理解していくようにした方が、スムーズに進
 みますよ」。p.106 『東大生が選んだ勉強法「私だけのやり方」を教えま
 す』東大家庭教師の 会著(PHP)

 
 3に続く。                  校長 見目 宗弘

理解には際限がない

 勉強方法を考えるときに「理解」→「定着」→「応用」という流れで考えていくと書きましたが、理解には際限がありません。
 例えば、皆さんが見知らぬ街の指定された目的地に行かねばならないとします。教えてもらった道順どおりに行くと目的地にたどり着けます。ひとまず「道順がわかった」と言えます。それでも、一本違う道に入り込んだとたんに道に迷ってしまいます。このようなとき、迷いながらもうろうろしながら街の様子がわかってきます。歩き回ったことで、目的地までの新しいルートがわかってきます。そのとき「新しい道順がわかった」ことになります。このように理解には際限がありません。同じことが勉強でも言えます。

 自分では既有知識を駆使し、制約条件のすべてを充足する、一応もっともらしい完
 全な説明をうみ出すことができた、その意味でよくわかった、と思っても、既有知
 識を異にする別の人にとっては必ずしもそうではない。それが相手への質問や批判
 となって出てくることになり、これに答えようとすると、今までの説明(理解)で
 は不十分で、さらにもっとわからなければならない部分があることにお互い気づ
 く。そこでさらにまた考え続けることになる。(中略)こうして「わかっている状
 態」から「わからない状態」へ、さらに再び「わかっている状態」へのいう具合
 に、二つの状態をくり返しながら、次第により深く理解が進んでいくのである。
 p.129 『人はいかに学ぶか 日常的認知の世界』稲垣佳世子・波多野誼余夫
 著(中央新書)

 「わかっている状態」というのは一安心している状態で、別の角度からものを見ると「わからない状態」になってしまうのです。「わからない状態」を解消しようとしてさらに理解すると次の段階の「わかっている状態」になります。理解には時間がかかります。

 いいかえれば、理解をともなう学習には時間がかかるのである。時間に追われ、多
 くのことを速やかに処理しなければならない場合には、とても深い理解など達成で
 きない。p.63 『人はいかに学ぶか 日常的認知の世界』稲垣佳世子・波多野
 誼余夫著(中央新書)

 
 勉強方法において、「理解」→「定着」→「応用」という大まかな流れはありますが、「定着」においても「応用」においても、理解はかかわっています。「定着」と「応用」を早く行いたいという気持ちがあるでしょうが、「理解」に時間をかけ大切にしてほしいと思います。             校長 見目 宗弘

難しいことは入門書や概説から理解する

 国語や社会や理科の難しさは、数学や英語の難しさとは違います。ある単元はわかるけれども別の単元はわからないという難しさです。例えば、理科で「天気」のところはわかるけれど、「電気」のところはわからないという、部分的な難しさです。
 わからない理由は、数学や英語と同じで、その分野の蓄積された情報が不足しているから、新しいことを理解できないのです。
 これは大人でも同じです。私は哲学書を読んだとき、字面は追えても、内容は全く入ってきませんでした。それどころか、読み進めるうちに眠くなってきてしまいました。哲学に関して、蓄積された情報がなかったため、理解できなかったのです。
 私は入門書を読み、大筋を理解した上で、もう1度哲学書を読み直しました。そうすると、1回目より、ずっと理解できるようになりました。
 入門書や概説から入るということは、苦手な分野や領域を理解する上でとても重要なことです。東大生もこのことを勉強法に活用しています。

 レベルの高い本に挑戦するための良い方法 高瀬明美(仮名)・工学部3年
 難しい本を読む前に、雑誌を探す
 「私の場合ですが、例えば現在学んでいる建築関係の難しい本に挑戦しなければな
 らないとき、まずはそれに類するちょっと軽めの雑誌や、写真が多めの本を探して
 きて読む。そして、少しでも興味が持てるようにするわけです」(中略)
 「自分にとってとっつきやすいところからアプローチし、興味が持てるようになっ
 たら、徐々にステップアップすればいいのではないでしょうか」。p.108
 『東大生が選んだ勉強法「私だけのやり方」を教えます』東大家庭教師の会著
 (PHP)

 
 この事例は興味をもつために雑誌や写真が多めの本を読むという事例ですが、簡単な本を読むことで、情報が蓄積されています。
 苦手な分野、苦手な領域の学習では、いきなり全てを理解しようとせず、大まかな内容から理解した方が理解しやすくなります。ただ大まかな内容がまとめられたものが教科書には出ていないので、現時点ではそこが難しいところです。(トップダウンの情報処理を行うところで述べますが、「自ら大まかにまとめること」が方法かと思います。)                   
                          校長 見目 宗弘

 理解には理解する素地が必要である。

 私たちは自分の経験や頭の中に蓄えられた情報をもとに新しいことを理解しています。このことを宇佐美寛という大学の先生は次のように説明しています。

 学習者に与えられた情報は、この蓄積構造の中のある部分に組みこまれ他の情報と
 関連づけられる。基底の直接経験の層の情報にまで結びつく。これが情報を「解釈 
 した」ということであり、「解釈内容を得た」ということでもある。p.144
 『授業にとって「理論」とは何か』宇佐美寛著(明治図書)

 
 頭の中にすでにある情報の蓄積構造に位置づけられるとき、理解できるのです。だから、頭の中に蓄えられた情報が不足していると、新しいことが理解できなくなります。積み上げの教科である数学と英語にはその傾向が顕著です。そのため、数学や英語では以前学習したところまで遡って学習し直す必要があります。

 数学の事例
 例えば、中3の「関数y=ax(2)」でつまずいたなら、中2の「一次関数」へ、そ
 れでもまだ難しい場合は中1の「変化の対応」までさかのぼります。小学生レベル
 の「比例・反比例」まで戻ることにもためらう必要はありません。「理解」に重点
 を置いて学習し直すことが、克服につながるからです。 開倫塾 和田英明「数学 
 パターン習得で向上」『読売新聞』2014年(平成26年)6月27日(金)

 英語の事例
 中2で入塾したA君は英語が苦手で、成績もなかなか伸びないことが悩みでした。
 彼は、中2までに身につけておくべき単語・熟語・基本文型などの基礎知識が抜け
 落ちていました。これらの基礎知識は、英語の4つの力(読む・聞く・書く・話
 す)を支える英語の柱です。この柱をしっかりと築くことができずにつまずいてし
 まったのです。そこで、「音読を徹底的に繰り返す」ことをA君に課しました。
 (中略)中3になった今では、苦手だった英語が得意教科となり、偏差値は35か
 ら55へと大幅に向上しています。 開倫塾 中谷克信「英語『音読』が効果的」
 『読売新聞』2015年(平成27年)10月9日(金)

 
 数学や英語では理解できるところまで戻って、学習し直す必要があります。
                         校長 見目 宗弘

新聞に出ていた、読むことで理解する事例

 新聞に出ていた、読むことで理解を深める事例を紹介します。国語の場合は教科書の理解ではなく、読むこと自体の力をつける事例です。

 国語 コラムを読み、読む力をつける
 特にお薦めなのは、1面にあるコラム(読売新聞では「編集手帳」)です。タイムリ
 ーな話題が比較的短い文章で、「起承転結」の組み立てで書かれているため、とても
 読みやすいです。また、見出しがないため、先入観をもたずに読むことができます。
 そこで、家族の皆さんや友達と一緒に同じコラムを読んで見出しをつけ、その理由や
 内容について意見交換してみましょう。 開倫塾 津久井幸「新聞で考える力をつけ
 よう」『読売 新聞』2016年(平成28年)8月14日(日)
 
 社会 教科書の音読
 あらゆる教科の学習の基本は教科書です。ですから、社会もまずは教科書の全内容を
 覚える意気込みで声を出して読む音読にはげんでください。 開倫塾 鈴木一昭「分
 野別 歴史年表を作ろう」『読売新聞』2016年(平成28年)5月1日(日)
 
 数学 参考書を繰り返し読む
 市販の参考書には大きく2つのタイプがあります、1つは、高校受験に必要な知識が
 網羅されているもの、もう1つは、基礎・基本の理解に重点を置き、テーマを絞って
 詳細に解答や解説をしているものです。参考書は自分のレベルに応じたものを選ばな
 ければなりません。苦手克服には、「理解」に重点を置いた後者が適切です。1度読
 んでわからなくても、間をおいて、2度、3度と繰り返し読みましょう。そうする
 と、少しずつ内容が頭に入ってくるようになります。根気よく、理解しようと努める
 ことが重要です。
 開倫塾 和田英明「数学 パターン習得で向上」『読売新聞』2014年(平成26
 年)6月27日(金)
 
 理科 教科書や参考書の音読
 体温では、「恒温」は周りの温度が変化しても体温がほぼ一定に保たれ、「変温」は
 周りの温度変化に伴って体温が変化します。このように、教科書に出てくる語句一つ
 ひとつの意味をしっかり理解することがたいせつです。教科書や参考書をよく音読す
 ることをお勧めします。 開倫塾 岡部正行「理科 疑問持つこと大切」『読売新
 聞』2017年(平成29年)7月17日(月)
 
 英語 教科書の音読→語句調べ→日本語訳→英文に直すこと→○つけ
 そこで、その日に学習した教科書のページを音読しましょう。音読の際に、読み方や
 意味がわからなかった場合はすぐに調べましょう。その後、教科書の本文の日本語訳
 が自分でできるかをノートに書き出して確認しましょう。次に、ノートに書いた日本
 語を英文に直す作業をしましょう。英文を書き終えたら、教科書の内容と比較して、
 間違えた部分を赤ペンで直し、間違えた文章や単語を覚えるまで声に出しながら書く
 練習をしましょう。開倫塾 津久井幸「英語 まず教科書音読」『読売新聞』201
 7年(平成29年)6月26日(月)
 
 各教科、あくまでも1つの事例ですが、教科書の音読を大切にすることで、かなり理解できることがわかります。                                    校長 見目 宗弘

教科書を何回も音読すること

 教科書を読むときに何回も音読するとさらに効果的です。『東大生が選んだ勉強法「私だけのやり方」を教えます』東大家庭教師の会著(PHP)には、文科3類2年の内田成美(仮名)さんの「教材は教科書一本で勉強していた」という報告が載っています。その方法は次のものです。

 「何度も繰り返し読み、流れを頭の中に入れていました。読むときには、ペンなども
 持たずに、本を読むのと同じような感じで。特に手で書いたりしなくても、何度も繰
 り返し読んでいくだけで、内容が頭の中に入ってくるものですよ」pp.15-16
 
 内田さんは教科書の読み方のコツを説明します。
 
 「全部を丸暗記しようというのではなく、全体の流れをつかみ、出てくる用語が全部
 理解できていればよし、という意識でやっていました。難しくてわかりにくかったと
 ころは、立ち止まって調べる。そして、日を改めて再開するときには、前回立ち止ま
 ったところに少し戻り、そこから読んでいくようにしていました」。p.16
 
 全体の流れをつかむ→用語を理解する→わかりにくいところを調べる→再び、読むという流れです。さらに内田さんの勉強法は速読で読むことに特徴があります。
 
 「時間を短縮するために、なるべく速いスピードで読んでいました。速く読むと、そ
 れだけ多くの内容に目を通せますから。それと、テストに向けての訓練、といった意
 味合いもある。例えば英文などの場合、実際のテストでは、あまり時間がないなかで
 長文を読み解かなくてはならない。そのため、日頃から速く読んで理解できるよ
 うに、と頑張っていました」。p.16
 
 速読ができるようになるには何回も繰り返し読むことが必要です。読み込むうちにスピードが上がります。
 
 「初めはゆっくり読み、理解していく。その後、何度も読んでいくと、用語の意味や
 人名などが頭の中に入ってくる。すると、回を重ねるごとに、速く読めるようになっ
 てきます。最終的には、内容がほぼ頭の中に入っているので、サーッと流して読める
 ようになる。何度も読んで完璧に理解すれば、その文章をザッと流し見するだけで、
 不思議と目から頭の中へと内容がスムーズに入ってくるような感覚になるんです」。
 p.17
 
 内田さんの例は、何回も読むことで理解が進み、内容も覚えてしまったという例です。覚えなくても繰り返し教科書を読むことで、理解が深まることは確かです。読むときに音読が良いのは、音読すると読み飛ばしがなくなり、内容が頭に入ってくるようになるからです。最初はおおまかな理解でよいのです。繰り返す中で細部を理解できるようになります。                 校長 見目 宗弘

理解はインプットである

 勉強の最初はインプットです。予習であれば教科書の文章を読むこと、授業であれば先生の話を聴くことがそれにあたります。
 
 では、最も基本的な学習とは何でしょうか。それは、文章を読むことです。すべて
 はそこから始まると言っても、過言ではありません。まずはリラックスして机に向
 かい、落ち着いて本を読む癖をつけることが大切です。(中略)文章を読む、人の
 話を聴く、そして文章を書く。これが勉強の基本です。その最初の部分でつまずい
 てしまっては、その後の勉強すべてに支障を来してしまいます。pp.82-83
 『伸びる子の法則 自ら学ぶ習慣が身につく学習法』森山真有著(PHP文庫)

 
 このインプットが案外おろそかにされている傾向にあります。教科書を丁寧に読む、教科書を繰り返し読むということです。教科書を繰り返し読むことで自力で理解できることが多いのではないでしょうか。
 インプットをより効果的にするには、家で予習し、授業で質問するという流れを作ることです。

 私は、予習は「した方がいい」という考えです。その理由は2つあります。第一
 に、教科書を一通り読む程度の予習であっても、それによって次にどんな勉強をす
 るのかわかります。たとえ内容がよくわからなくても、「次はわかりにくそうだ」
 という見通しを持つことができます。それだけでも、授業に臨む姿勢が違ってくる
 でしょう。第二に、予習して少し内容がわかったとしても、おそらく、わからない
 ところもあるはずです。そうすると、「ここは注意して聞こう」といった構えがで
 きます。つまり難しいところ に適切にエネルギーを振り向けることができるので
 す。p.41
 『学習支援のツボ 認知心理学者が教室で考えたこと』佐藤浩一著(北大路書房)

 
 予習の目的は「難しそうなところ」「わからないところ」を明らかにすることです。それらを明らかにした上で、授業に臨むことで聴くべきところに力を集中することができるのです。予習によって「読む→聴く」という2つのインプットができ、インプットが確実になります。授業ではわからないところをどんどん質問して欲しいと思います。                  校長 見目 宗弘

 理解を知る6つの視点

 数学で「何を問われているのかがわからない」と思った問題が、後で先生から解説を聞いてみると実は難しくなく、自力で解けた問題だったという経験が生徒の皆さんにはあったと思います。最初に「何を問われているのかがわからない」と思ってしまったところに、理解というものの性質が色濃く出ています。理解は感情に左右されてしまうものなのです。
 理解について詳しく知ることは、勉強の質を高めることにつながります。理解について、以下、次の6つの視点から見ていきます。

 1 理解はインプットである。
 2 理解には理解する素地が必要である。
 3 理解は際限がない。
 4 理解は説明の仕方、説明内容、説明者に左右される。
 5 アウトプットで理解が確かになる
 6 理解の当面のゴールはトップダウンの情報処理である。

                            校長 見目 宗弘

理解してから覚える

 勉強方法を考える上で一番大切なのがこの「理解」の部分です。しかし、多くの人が「定着」に意識があり、理解していないまま定着させようとしている傾向があります。後の「定着」のところでも触れますが、丸暗記が通用するのは「知識記憶」が優位にある小学時代です。「経験記憶」が発達してくる中・高時代は、理解していないと覚えにくくなってしまうのです。
 それほど「理解」が大切なのに、「理解」についてはあまり語られていないように思います。「理解」を詳しく理解することが、勉強のつまずきを解消することになると思うので、しばらく考察していきたいと思います。        校長 見目 宗弘

まず最初に、自分を理解する

 勉強関係の本を読んでいて意外と記述が少ないのがこの「理解する」ということについてです。理解したことを前提として多くの勉強方法が語られている感じがして、「勉強がわからない」「勉強方法がわからない」という声の大元はここにあるのだなと思います。
 さて、理解について深く掘り下げる前に、見落としがちな面を最初に押さえておきます。それは自分自身についての理解です。自分自身についての理解の大切さを述べているのは伊沢拓司さんです。伊沢さんは次のように述べています。伊沢さんの説明の中の「対策」はテストの対策のこと、「相手」は学習内容のことです。

 「対策」という言葉を聞くと、どうしても相手のことばかりに意識が行ってしまい
 がちです。しかし、戦いの場に立つのは、相手ともうひとり、自分がいます。勝負
 の変数は2つあるのです。相手がx、自分がyの2元方程式であり、両方に数字を
 入れないと答えは出ません。そもそも対策といった時に相手のことばかりが意識さ
 れてしまうのは、「自分のことは自分がよく知っている」という前提があるからだ
 と僕は思うんです。しかし、果たしてみなさんは自分のことを理解している、と言
 い切れるでしょうか?ぼんやりとは理解しているとは思います。(中略)しかし、
 ゲームのプレイヤーデータを見るような客観性で自分を分析し、それに対して対策
 を取る、みたいなことができる人は少ないはずです。pp.49-50   『勉強大
 全』伊沢拓司著(KADOKAWA)
  
 まず、自分のことを理解していないといくら良い学習計画を立てても誘惑に負けてしまい実行に移せません。学習計画が絵に描いた餅になってしまいます。だから、伊沢さんは自分への対策の必要性を述べます。

 
 自分の弱い面を「知らないふりをして放置する」のではなく、「知った上で、その
 正確を前提とした対策を取る」のです。夕飯を食べた後に怠けてしまうようなら、
 食後はお風呂タイムにして、食事前や入浴後に勉強するとか。p.51

 
 伊沢さん自身はゲーセンが大好きなので、その前を通らないように対策を立てているということです。
 自分を理解するということは勉強法を考える際の出発点です。自分を理解し、計画が実行に移せるような対策を立てて勉強に取り組みたいところです。  
                           校長 見目 宗弘

勉強法を考える順番

 前置きが長くなりましたが、いよいよ勉強方法について見ていきます。勉強方法を考える際、「理解」→「定着」→「応用」という順番で詳しく見ていきます。この順番は新聞の次の記事を参考にしたものです。
 
 【理解】
 理解とは、「うん、なるほど」とよくわかることです。まず、予習で教科書・テキ
 ストを読み、自分の分からないところを明らかにします。授業では、わからなかっ
 たところを集中的に聞き、教科書に書かれていないことや、先生が強調しているこ
 とをメモに取ります。さらに疑問があれば、先生に必ず質問して、その日のうちに
 解決するように努 めてください。
 【定着】
 授業を受けたその日のうちに、復習として、3大練習(音読・書き取り・計算)や
 教科書の例題・基本問題に取り組みます。一度覚えたことも、1日たつと半分以上
 を忘れてしまいます。理解した内容を確実に身に着(ママ)けるためには、何より繰り
 返すことが大切です。①大事なことが口をついてスラスラ言える②楷書で正確に書
 ける③基本的な問題 は見た瞬間に答えが出せる—状態になれば、定着したと言え
 ます。
 【応用】
 応用とは、理解・定着したことを「用いる」こと、つまり得点力を身に着(ママ)ける
 ことです。そのために取り組むのが問題練習と間違いノート作りです。教科書や
 ワーク、テストで間違えた問題を記録します。このとき、間違いはそのまま残して
 おくのがポイントです。解答・解説をよく読み、間違えた理由や注意点を赤ペンで
 書き込みます。自分がどの段階でつまずいたのか、何が原因なのかを繰り返さない
 ために必要な練習に取り組むことで、得点力を高めることができます。
 「受験必勝ゼミナール 新学年 学習のポイント」開倫塾講師 緒方滋泰
 『読売新聞』2014年(平成26年)4月4日(金)

 
 この説明を参考にして、これから「理解」「定着」「応用」を深く掘り下げて、勉強方法を考えていきたいと思います。        校長 見目 宗弘

勉強する目的

 勉強について整理すると、大変なことをしなくてはならない気持ちになり、「知識を覚えたり、情報活用力をつけたり、そこまで大変な思いをしてわざわざ勉強しなくても良いです」という声が中学生の皆さんから聞こえてきそうです。しかし、それは教育が当たり前に施されている日本にいるから思えること。
 今から100年以上も前の話になりますが、学校制度ができた頃のイギリスでは「子どもは大切な労働力なのに、どうして子どもを学校に行かせなくてはならないんだ。」と、保護者が学校に殴り込みに行ったという記録が残っています。このような歴史を振り返ると、学校に来て勉強することは、皆さんの大切な権利であるように思います。
 自分自身のために、勉強するという権利を行使してほしいと思います。その上で、次のような言葉があることを心のどこかにとどめておいてくれたら、うれしいです。
 
 人はなぜ勉強しなくてはいけないのか。私自身の考えを申しますと、「人や社会の役
 にたつための勉強する」が答えです。他者の役に立つために、私たちは生まれてき
 た。愛する家族のため、愛する隣人のため、愛する社会のために私たちは生きている
 のだと、そう考えています。p.16
 『伸びる子の法則 自ら学ぶ習慣が身につく学習法』森山真有著(PHP文庫)
                                                         校長 見目 宗弘

勉強のプロセスも大切にする

 前回、勉強において情報活用のプロセスが大切だと書きました。クイズの東大王の伊沢拓司さんもクイズに答えるためにそのような取組をしていることを著書『勉強大全』(KADOKAWA)に書いています。

 僕は万物を少しずつ知って極めようとしたのではなく、番組を分析し、頻出の問題を
 集め、自分の苦手形式を繰り返すことで弱点を埋めていったのです。p.47
 
 伊沢さんは分析し、情報を収集し、しぼり込み、知識を獲得しています。知識を獲得するプロセスが課題解決の過程となっています。このような取組であれば、プロセス自体も財産です。このような取組をするから受験勉強も財産となります。
 
 今振り返ると、受験勉強は、その後の僕の人生に役立ったと思います。学歴や勉学の
 話ではありません。自分を目標の前に立たせ、攻略法を考え、自己分析で弱点を直視
 し、一日一日進んでいく。その過程で、今後の人生での難題への向き合い方を、わず
 かばかりでも知ることができた、そんな気がします。p.354
 
 中学生の皆さんの関心はいかに覚えるかということだと思いますが、取り組み自体も大切にしてほしいと思います。「どう理解し覚えるか」「どう活用するか」を考え、工夫を凝らしながら勉強するということです。勉強を通して、課題解決の手続きを身に付けることは人生にとって大きな財産となると思います。  校長 見目 宗弘

第1回学校評議員会・地域教育協議会開催

 梅雨に入り、不安定な天候が続いております。
 昨日、PTA代表、自治会代表、民生委員、児童委員等、5名の地域の皆様の御協力を得て、今年度1回目の学校評議員会を開きました。学校の教育活動に対して御意見をうかがい、改善を図ってまいります、あわせまして、ここに地域コーディネーターと学校長を加え、地域教育協議会も開催いたしました。地域の皆様が来校されての学習支援や、逆に、生徒が地域に赴いての体験活動等に際し、学校と地域をつなぐ役割を担います。1年間、お世話になります。
 
    (会議の様子)           (校内見学・授業参観)

 情報を整理して、やることをしぼりこむ

 中学生の皆さんにとっては少し難しい話になってしまいました。
 ここまでをまとめます。
 今、勉強に求められることは「文化の継承」と「文化の創造」です。「文化の継承」は学校教育にずっと求められてきたことで、知識の量と質で測ります。「文化の創造」は新しく求められるもので、問題解決ができることで測ります。でも、問題解決そのものはテストで簡単に測ることができないので、問題解決の力をもっているかどうかを記述式問題で測ります。記述式問題に答えられることは、知識を道具として使えていることになるからです。
 このようにまとめると、中学生の皆さんは「今までよりも勉強しなくてはならないことが増えて大変だ」と思うでしょう。中には「テレビのクイズ番組に出演している人たちは知識量はあるけど、問題解決の力はあるのだろうか」と疑問に思う人がいるかも知れません。
 ……テレビのクイズ番組に出演して、たくさんの知識をもっている人は問題解決の力をもっていると思います。というのは、知識を覚える過程で、情報を収集し、整理し、しぼりこんで覚えるという手続きを踏んでいると思われるからです。その手続きは問題解決に必要な手続きです。
 このように考えると「文化の継承」の力を付けつつ、「文化の創造」の力を付ける方法が見えてきます。それは、勉強の結果だけではなく、そのプロセスも大切にするということです。大切にするプロセスとは、情報を収集し、整理し、しぼりこみ、利用するという情報活用のプロセスです。作戦を立てて、勉強に望むということです。作戦というと仰々しいですが、やみくもにかたっぱしから理解し、暗記するのではなく、情報を整理し、理解や暗記をするのです。やることをしぼりこむということが問題解決の力を高めていくことにつながります。      校長 見目 宗弘

記述式問題が増える理由

 「文化の継承」や「文化の創造」をテストや入試で考えるとどういうことになるのでしょうか。
 文化を継承する力は、従来のテストで診断できます。では、文化を創造する力を診断するには……。その診断は難しいです。何かを創造することは時間がかかり、評価が難しいからです。
 とすると文化を創造する力をテストで評価できないのでは?
 新しい文化は、今までの知的財産を評価したり否定したりして、創造されます。その意味で「文化の継承」と「文化の創造」とはつながっています。つながりは、今までの知的財産が道具になるということです。
 このことから文化を創造する力をテストするには、知識を材料として活用できるかどうか問えば良いことがわかります。出題形式としては次のようになります。

 教育改革が進み、数年後には大学入試が「課題解決型」に移行します。それに合わ
 せて高校入試も変わり、今後は全教科で出題形式や内容の変更が行われると思いま
 す。中でも、記述式問題が増えるのは間違いないでしょう。
 「勉強のコツ 記述解答の出題 今後増加」開倫塾教務本部長 渡辺博(『読売新
 聞』2016年(平成28年)7月17日(日))
 
 知識をコンパクトにし、知識を道具として使いこなせるかどうかを見るために、記述式問題が増えるのです。文化を創造する力の診断です。情報を大つかみに把握し、使うことができる力が重視されます。課題解決の過程、そして、課題解決の手続きがとても大切になってきます。           校長 見目 宗弘

「文化の継承」と「文化の創造」と

 今、求められるのは課題解決の力だと示しました。
 このことを考えるのに適した新聞記事があります。全日本科学教育振興委員会委員長の大木道則氏の「論点『学力』考え方 再考が必要」(『読売新聞』2002年(平成14年)5月3日(金))という記事です。
 大木氏は科学技術振興の立場から学校教育についての意見を述べています。大木氏は「多くの場合、『学力』=『知識量』であるという定義が、見えかくれする。」と、一般的には学力は知識量であるとされていると指摘します。しかし、科学者や技術者はそのような立場とは異なることを述べます。

 しかし、科学者・技術者に「学力」とは何かと尋ねれば、それは子供が持つ知識の量
 だと答える人は、まずいない。科学者たちは、実力は知識の量だけでなく、それを活
 用して研究に役立てることが重要だとよく分かっているからである。
 
 そして、科学者・技術者と国民の多くの考え方の違いを次のように説明します。
 
 それでは、国民の多くが持つ「学力」に関する解釈と、科学者・技術者が持つ解釈に
 差があるのはなぜだろう。その理由は、学校教育において「文化の継承」が重視さ
 れ、創造的な活動が軽視されてきたことによると考えられる。
 
 確かに学校は「文化の継承」を大切にしています。そのため、学習の結果としての知識とその量が大切にされます。大木氏はこのことが次の問題を生じていると指摘します。
 
 まず事実を記憶してしまえという教育は、「なぜそうなのか」と考える人間の基本的
 行為を避けるように働く。これは、科学技術の発展にとって、極めて深刻な負の材料
 なのである。科学の問題にチャレンジする時、いつも正解を教えられていた子供たち
 は「なぜそんな面倒なことをやらねばならないの」という疑問に直面する。知識の中
 に解決法が見つからない場合には、途中で挫折してしまうのはまことに残念なこと
 だ。

 この説明の後、大木氏は次のようにまとめます。

・知識量と、問題解決に努力する力、この二つを兼ね備えた人こそ「学力がある」と言
 われるべきだと私は考える。
・「文化の継承」とともに「新しい文化を創造する」ために、教育や学力に関するとら
 え方を根本的に考え直す必要がある。
 
 大木氏のこの記事は18年も前のものです。先の「中教審答申」を思い出すと、大木氏の指摘した方向で教育は動いているように思います。今、勉強では「文化の継承」ができ、なおかつ「文化の創造」ができることが求められているのです。
                       校長 見目 宗弘

求められる課題解決の力

 では、今、どういう学力が求められているのでしょうか。
 生徒の皆さんが学ぶ教科書は文部科学省の示す「学習指導要領」というものを受けて作られています。「学習指導要領」でAについて学習する必要があると示されると、教科書にAのことが載るようになります。
 その「学習指導要領」に影響を与えるのが、「中教審答申」です。これは専門家の人たちが集まって、教育について議論し、「これからの教育はこうあるべきだ」と示したものです。平成28年に示された「中教審答申」には次のようにあります。

 “今学校で教えていることは時代が変化したら通用しなくなるのではないか”といっ
    た不安の声もあり、それを裏付けるような未来予測も多く発表されている。
 
 現代は、時代の変化が速く、学んだことが役に立たなくなるのではないかという指摘です。このような時代だから、次のことが求められます。

 解き方があらかじめ定まった問題を効率的に解いたり、定められた手続を効率的に
 こなしたりすることにとどまらず、直面する様々な変化を柔軟に受け止め、感性を
 豊かに働かせながら、どのような未来を創っていくのか、どのように社会や人生を
 よりよいものにしていくのかを考え、主体的に学び続けて自ら能力を引き出し、自
 分なりに試行錯誤したり、多様な他者と協働したりして、(中略)よりよい社会と
 幸福な人生の創り手となっていけるようにすることが重要である。
 
 長い1文ですが、要は今までの学力にとどまらず、課題を解決する力を付けることが大切であるということです。とても難しいことが教育に課せられました。なぜなら、課題を解決するのは、大人でも簡単ではないからです。
 次回はもう少し、このことを掘り下げて考えてみましょう。 校長 見目 宗弘

求められる学力が変わってきている

 まず、勉強について考え直してみたいと思います。
 勉強方法さえ分かれば、勉強について考えなくても良いように思います。しかし、勉強について考えなくてはならないのは、求められている学力が変わってきているからです。求められている学力が変わってきているということは、テストや入試の問題も変わりつつあるということです。記述式の問題が増えてきているのはそのためです。これらに対応するためには、対応できる力をつけるための学習方法が選択されるべきです。だから、勉強について考える必要があるのです。     校長 見目 宗弘

最適な勉強方法は目的や内容によって変わる

 さて、いよいよ第3部の勉強方法に入ります。
 方法を考える上で大切なのは、目的や内容が違えば最適な勉強方法も変わるということです。また、一人一人の情報処理の仕方も違うので自分にあった最適な勉強方法も違います。そのためネットで「勉強方法の本」と検索すると非常にたくさんの本が検索され、たくさんの方法があることがわかります。
 ここでは、勉強方法をカタログ的に示すのではなく、勉強法を考える上で基本となる大切なことをおさえていきたいと思います。具体的な方法については生徒の皆さんが「自分にあった方法」を試行錯誤しながら見つけていってほしいと思います。(後に述べますが、この試行錯誤という手続きが今、求められている学力ではとても大切なのです。)
 以下、勉強方法について、大きく4つに分けて述べていきます。勉強について、理解について、定着について、応用についての4つです。    校長 見目 宗弘

生徒集会・生徒会専門委員会実施


 今年度初めての生徒集会を校内放送で行いました。生徒会役員の話が主で、今年度のスローガン「ONE TEAM 自由な心でつくりあげる みんなの豊中」も発表されました。いつもの年のようにいかないことが多く、苦労することも予想されますが、全校生徒心一つに頑張ってほしいと願っています。

 終了後生徒会専門委員会が続き、それぞれ組織づくり、活動計画立案などを行いました。今後、各自責任をもって活動に取り組んでくれることを期待しています。

学校支援ボランティア募集(お知らせ)

 日光市教育委員会事務局生涯学習課より

 この事業は、「地域と学校が協力・連携して、日光に住む大人たちが、
日光の子どもたちをみんなで応援しよう。」という事業です。

 興味がある方は、
 生涯学習課 21-5182
 にお問い合わせ下さい。

 また、募集チラシが学校に数枚届いています。
 興味がある方は、連絡下さい。(担当岩井)

 ボランティア例
 農園活動ボランティア
 読み聞かせボランティア
 花壇の整備ボランティア・・・様々あります。

根気という学力

 努力し続けるには根気が必要です。この根気を岸本裕史氏は「見えない学力」と言いました。岸本氏は学力を支える大切なものとして3つの「見えない学力」をあげています。言語能力、根気、先行経験です。見える学力を上げるにはこれら3つの「見えない学力」を大切にする必要があると言います。
 岸本氏は根気を「深部の学力」と呼びます。
 
 そして、家庭で毎日、何かの仕事をきちんと当てがうことです。すると、仕事だけで
 なく、勉強もおしまいまでちゃんとやり通す根気ができてきます。(中略)しつけ
 は、勉強と無関係のように見えますが、じつは"深部の学力"なのです。p.18
  『家庭でのばす見えない学力』岸本裕史著(小学館)
 
 勉強量を確保するには根気が必要で、その根気をつけるには、仕事を最後までやり通すことが必要である。つまり、「勉強ができるようになるには生活をしっかりすることが必要である」という結論です。
 これは詩人の大岡信さんが「言葉の力」というエッセイで書いていたことと同じです。桜の木は花のピンク色を出すために木全体でピンクになっている、人間の言葉も同じだと大岡さんは言います。勉強も同じです。自己を律する生活をすることで、根気強く努力を続けることができるようになり、勉強の花が咲くのです。生活が勉強の花を咲かせています。
 特にがまんの「入力の時期」。自分を律する生活をし、根気をつけていきましょう。
                         校長 見目 宗弘

努力しても結果が出ないとき

 勉強量を増やせば、学習の成果も出る、そう考えたいですが、残念ながらそうならない時もあります。特に勉強を始めた最初の段階がそうです。そんな状態を予備校講師の安河内哲也氏は次のように説明しています。

 当たり前の話ですが、勉強というのは基礎からやらなくてはいけません。その基礎を
 学んでいる3ヵ月、5ヵ月というのは、成績が上がらない。基礎が身に付いて、模試
 のレベルに近づいてようやくバンと上がるのです。p.121
 『今日から始める「やる気」勉強法』

 ある程度、わかってきてから一気に分かるようになるのです。そのため時間がかかるのです。漆校長先生はこのことを「入力の時期」「出力の時期」とダムにたとえています。

 あるときを境に急速に成績を伸ばす生徒を、いままで何人も見てきました。この子た
 ちに共通することは、本人が意識している、していないにかかわらず、それまでの隠
 れた積み重ねがあることです。(中略) ダムにたとえれば、最初のうちは、水をため
 る「入力の時期」が長く続き、ある日を境に、大量の水を放水できる「出力の時期」
 がくるようなものです。pp.163-164
 『伸びる子の育て方』品川女子学院校長漆紫穂子著(ダイヤモンド社)

 「入力の時期」はどの世界にも共通のものです。大人でも新しい職場では、物のある場所さえわからずに思うように仕事ができません。中学生なら部活動に入部したときがそうです。一通り分かるには時間がかかるのです。それが「入力の時期」です。
 この間は根気強く努力を続けなければなりません。「やる気をキープするための努力の貯金」でも書いたように今までの頑張りを振り返り、意欲をキープし続けることです。                        校長 見目 宗弘

交通安全教室開催


 昨日、1年生を対象に交通安全教室を実施いたしました。日光市から3名の交通教育指導員を招き、安全な自転車の乗り方などに関して御指導いただきました。自転車点検時のポイントについて説明を受けた後、校庭に設置した模擬道路を使って、実際に自転車走行をしました。生徒達は、途中チェックポイントを通過しながら、一時停止や左右後方の目視など、走行時の留意点を確認しました。

 

小さな時間を有効活用

 ふだん見過ごしているちょっとした時間を活用するという発想があります。社会人に向けて書かれた『すごい「勉強法」』高島徹治著(三笠書房)という本に示されていたことです。この本の中では時間が3つに区分されています。大時間、中時間、小時間です。大時間は土曜日や日曜日等、1日をフルに使える時間です。大時間の時間の中ではまとまった作業をすることができます。中時間は平日の家に帰ってからの時間です。約2、3時間。ある程度のことができます。小時間は15分前後の時間です。高島氏はこの時間を次のようにいいます。

 「勉強のできる人」と「できない人」の差は、小時間(細切れ時間)の使い方にあ
 ると言っても過言ではありません。p。138

 
 高島氏は、多くの人はこの小時間に気づいていず、「時間がない」と言っていると言います。
 小時間は作業をするには短か過ぎる時間です。この時間は電車を待つ間とか外に出かける前の時間とか、ちょっとした隙間の時間で、机で勉強できないような細切れの時間です。
 けれど、この時間に合った学習をすれば、小時間も有効な学習時間となります。例えば、暗記です。何かを暗記する時間として活用すれば、時間的にもちょうど良い時間となります。そのためには、中時間や大時間にその準備をしておくことが必要です。
 時間を上手に活用することで、限られた時間の中で量を確保することができます。
                         校長 見目 宗弘

部活動再開

 先週は、体を慣らす意味合いもあって、部活動はありませんでした。昨日から、まだ短い時間ながらも部活動を再開し、1年生も部活動見学を始めました。校舎内には吹奏楽部の楽器の音色が、校庭や体育館では運動部員の元気な声が響いていました。人との距離や対話などに注意しながらも、徐々に以前までの学校生活を取り戻しつつあります。

勉強の効果を倍増させる読書の習慣化

 スマホとは反対に実際に行った勉強の効果を倍増させる方法があります。それは読書です。読書は脳全体を使った活動です。読書の時間は脳がトレーニングをしているのと同じ状態になります。『最新脳科学でついに出た結論「本の読み方」で学力は決まる』川島隆太監修、松﨑泰・榊浩平著(青春出版社)には次の説明があります。

 
 本を読むとブローカ野、ウェルニッケ野、前頭前野という脳の大都市間に言語情報 
 が駆け巡ります。つまり、読書を毎日することで言語能力に関する神経迂回路網を
 走る情報の交通量が増大し、脳の大都市間をつなぐ太く強固な神経線維の束による
 高速道路が開通するというわけです。ちなみに、一般に言われる「頭の回転が速
 い」人は、ものごとを理解するのが速かったり、話の要点をつかむのが上手だった
 りしますよね。脳科学的には、読書を通した言語能力に関する神経回路の強化が、
 そのような頭の回転の速さにもつながる可能性があると言えるでしょう。pp.
 99-100

 
 読書を習慣化し、その上で勉強すると努力が結果に反映されやすくなります。       
                       校長 見目宗弘

努力を台無しにしてしまうスマホの長時間使用

 勉強時間を確保しても、その努力が無駄になってしまうことがあります。昨年度の学校だよりでもお伝えしたスマホやゲームの長時間使用です。スマホやゲームを1時間以上使用すると脳の活動が抑制されてしまうので、勉強の効果がなくなってしまうのです。
 このことを川島隆太先生の『スマホが学力を破壊する』(集英社新書)をもとに再確認していきます。川島先生は平成25年度、仙台市立中学校に通う全生徒2万2390名の仙台市標準学力検査、仙台市生活・学習状況調査の結果を分析して、学力と生活習慣との相関関係を次のようにまとめました。まずは全体的な相関関係です。

 児童・生徒の学習意欲を向上させるためにまず肝心なのは、基本的な生活習慣でし
 た。特に朝食の習慣です。家族で一緒に豊かな朝食を食べることが、子ども達の学習
 意欲を向上させ、結果、学力も向上します。次いで大切なのは、家族とのコミュニケ
 ーションでした。話をきちんと聞いてくれる家族がいる子ども達の学習意欲が高いこ
 とがわかりました。プロジェクト開始当初は、学校で教師が子ども達にどう接する
 か、どのような授業を行うか、どのようなクラスを運営するのかが、子ども達の学習
 意欲に強く関わるとばかり思っていたのですが、答えは違っていました。家庭で家族
 がきちんと子どもと向き合うことが、子ども達の学習意欲の源泉だったのです。p
 p.16-17

 そして、勉強時間とスマホとの相関関係です。
 
 最初にわかることは、自宅学習時間が長いほど成績が良いという当たり前の事実。次
 いでわかるのは、自宅で勉強しようが、するまいが、携帯・スマホを使う時間が長い
 生徒達の成績が悪いという事実。さらに細かく読み取っていくと、たとえ家で2時間
 以上勉強したとしても、携帯・スマホを3時間以上つかってしまうと、ほとんど家で
 勉強をしないけれども携帯・スマホを使わない生徒達の方が、成績が良くなってしま
 うという事 実。p.18
 
 スマホを3時間以上使うと勉強を2時間以上しても、ほとんど勉強しない生徒の方が成績が良くなってしまうというのはショックです。
 先ほど脳の活動が抑制されると書きましたが、スマホやゲームの長時間使用は情報処理をし、思考の中枢を担う前頭前野に影響を与えてしまうからです。
 
 しかし、ゲームに慣れたとたんに、前頭前野が活動しなくなるばかりか、何故か逆
 に、安静時よりも活動量が少なくなる前頭前野の「抑制現象」が生じたのです。どの
 ようなゲームでも前頭前野に強い抑制がかかりました。p.180
 
 こうなると、ただ単に勉強時間を増やせば良いということではなくなります。効果が出るように生活を整えてから、勉強時間を増やすということが大切になります。脳の抑制に影響が出ないスマホ等の使用時間は1時間未満だと言われています。
                       校長 見目 宗弘

集中するために必要な休憩時間

 集中力を切らさないようにしながら、勉強の量を増やす。このための1つの方法として、分散学習がありました。集中を持続させるためには休憩時間をしっかりとることも大切なことです。次の引用にあるように、受験生には「休んではいけない」という意識が働きがちです。しかし、休憩時間を効果的にとることで集中力が持続します。

 計画を立てることが上手な生徒は、休憩時間の入れ方も上手です。休むことの重要性
 を体験的に知っているのでしょう。ある生徒が、休憩をとることの大切さを、こう力
 説していました。
 「私は、それまで勉強の合間に休憩をとっても、あまり休んだ気になれませんでし
 た。ただでさえ時間が足りないのに、『休んでいいのか』という焦燥感がつきまとう
 のです。でも、あるときから『いまは休憩時間。目標達成のために必要な時間』と割
 りきったことで、気分がすっきりしました。切り換えがうまくなり、結果として勉強
 にも集中できるようになりました」 (中略)
 人の集中力はそう長くは続きません。「3年後に楽しいことがあるから」というご褒
 美では、とても体はもちません。1か月のなか、1週間のなか、1日のなかに休憩時
 間を設けて、適度な息抜きをするほうが結果として効率がいいのです。p.161
  『伸びる子の育て方』漆紫穂子著(ダイヤモンド社)より

 休憩時間をとることで、集中力が持続し効果が上がります。休憩時間をとり頭をリフレッシュさせましょう。        校長 見目 宗弘

フェイスシールド寄贈

 長い、長い臨時休業明けの1週間。部活動なしとはいえ、毎日6時間授業を受けた生徒達。暑さも相まって相当疲れたことでしょう。週末には、まず体調を整えていただければと思います。ただ、疲れた中にも、仲間とともに学習し生活できたことは、何ものにも代えがたい喜びだったのではないでしょうか。
 ところで、先日マスクを寄贈してくださった渡辺産業様より、今度は生徒数分のフェイスシールドをいただきました。本格的に授業が始まった今、大変ありがたいお申し出で、職員一同心から感謝しております。今後、有効な活用方法について検討してまいります。

集中する環境を作る

 勉強に集中するという、細かなところに入ってきました。
 集中するためには集中できる環境を作ることです。例えば、勉強机にマンガやゲームを置かないということです。

 とにかく「マンガやゲームは勉強机以外の場所で」と徹底することです。p.
 142 『伸びる子の法則 自ら学ぶ習慣が身につく学習法』家庭教師のトライ専
 務取締役 森山真有著(PHP文庫)

 
 勉強に行き詰まったときに、マンガやゲームが手元にあるといつの間にか時間を忘れて遊んでしまいます。そのための環境作りです。
 環境を整える例として、『勉強の結果は「机に向かう前」に決まる』池田潤著(サンマーク出版)には次のことが載っています。

 自分の「集中環境」はどこにあるのか、ということをぜひ考えてみてください。
 最低限、これだけは揃えておいたほうが良いと思うことを挙げてみます。
 ・自分に合った机と椅子の高さにする(個人的には低めのものがオススメです)
 ・机の上の整理整頓
 ・勉強する部屋の整理整頓(家で勉強する場合)
 ・騒音がしない場所
 ・誘惑(テレビ、ゲーム、漫画など)が少ない場所
 ・使いやすい筆記用具
 ・気温は適温を保つ などなどpp.139-140

 
 理想は「さあ、勉強」という時にすぐに勉強に入れる環境を整えることです。机の上の整理整頓は基本的なことで、とても大切なことです。どこに何があるかわかるように整理されていると、勉強中、集中がとぎれないからです。 校長 見目 宗弘

集中して取り組むための「時間のブロッキング」

 勉強量を確保してもだらだらと勉強していたのでは、効果が上がりません。そこで勉強と休憩、遊びのメリハリをしっかりとつけることです。そのために、必要なのが「時間のブロッキング」です。次の説明の通り時間をブロックすることです。

 集中力を失わないために必要なこと。それは、「時間のブロッキング」です。ブ
 ロッキングとは何かというと、時間をブロックして、やると決めた活動のみに集中
 し、他の活動を徹底的に排除する方法です。例えば、14時から16時までは読書
 の時間。16時から17時まではジムで運動。このように、あらかじめ何に時間を
 使うかを決めておき、他のものは徹底的にブロックすることをこう呼んでいます。
 大事なのは、"徹底的に"他の活動を排除するということです。p.133
 『勉強の結果は「机に向かう前」に決まる』池田潤著(サンマーク出版)

 
 勉強に集中するために「この時間は勉強する時間」と決めることです。
 また、集中力を高めるためには、分散学習が効果的です。分散学習は時間を分けて学習することで心理学の用語です。対になる語が集中学習で、次の説明の通りです。

 
 例えば試験範囲の英単語を覚えるのに、テスト前日に2時間かけて覚えるのが「集
 中学習」、これに対して、1日1時間ずつ2日に分けて覚えたり、30分ずつ4日
 に分けて 覚えるのが「分散学習」です。p.20
  『学習支援のツボ 認知心理学者が教室で考えたこと』佐藤浩一著(北大路書房)

 
 心理学の世界では分散学習の方が集中学習よりもよいという結論が出されています。理由は次の通りです。


・人間の集中力はそう長くは続かないから。
・1日にたくさんの内容を詰め込もうとすると、それらが整理されないままになり、
 頭の中が混乱してしまうから。

 
 勉強量を考える場合、量と同時に「いかに集中して取り組めるか」を同時に考えることが大切になってきます。そうでないと、量を確保した意味が薄れてしまうからです。                          
                          校長 見目 宗弘

全校草むしり


 昨日は、清掃の時間を使って、全校草むしりを行いました。この時期は、草木の成長が早く、生命の力強さも感じます。

学校再開直後の様子

 学校が再開されて3日目。写真は、昨日1年生が避難経路の確認をしたときのものです。もう1枚は、昼休みに校庭で元気に遊ぶ様子です。生徒達が真剣に学習に向き合ったり、楽しそうに活動したりする姿を見て、素直にうれしい気持ちでいっぱいです。



時間をうまく使えないときの対応

 勉強時間を確保できたとしても、時間をうまく使えないときがあります。
 それはどんなときでしょうか。『学習支援のツボ 認知心理学者が教室で考えたこと』佐藤浩一著(北大路書房)には、3つあげられています。「具体的な目標が意識できないとき」、「目標が大きすぎるとき」、「好きな教科ばっかりやってしまうとき」です。目標に関するものは、その日、何をやるか、やることをはっきりさせれば対応できます。難しいのが3つ目の「好きな教科ばっかりやってしまうとき」の対応です。『学習支援のツボ 認知心理学者が教室で考えたこと』には次の説明があります。

  第三に、好きな教科ばかりやって、嫌いな教科は後回しにして、結局時間が足り
  なくなる、ということがよくあります。これは、「何をしないといけないか、具
  体的にわかっているけれども、その順序を間違えている」ということです。この
  場合、かなりの荒技ですが、自分で自分にご褒美を出すようにすると、うまくい
  くことがあります。そのご褒美とは、好きな教科の勉強です。例えば、国語が苦
  手で数学が好きなら、「とにかく国語の課題を毎日1頁は勉強する。それができ
  たら初めて、好きな数学に取り組む」というルールを自分で作るのです。p.
  219

 
 苦手な教科を先にやってしまうという対応です。苦手な教科は気が乗らないので、ご褒美として、その後、好きな教科の勉強をするというようにします。このように自分にご褒美を出すと、苦手なことも頑張れるようになります。 校長 見目 宗弘

勉強時間を作り出すために何かをやめる

 勉強量を増やすためには時間を作り出さねばなりません。多くの場合、「睡眠時間を削って」という話になりますが、学習効果を上げるには睡眠時間は確保したいところです。なぜなら、寝ている間に脳の重要な部位である海馬が育つからです。

  一番成績がいいのは「8~9時間」寝ていた子たち。(中略)脳の中でも学習や
  記憶に強くかかわる「海馬」と呼ばれる部位の体積が、睡眠時間と正相関すると
  いうことです。つまり「睡眠時間が長い子どもは、海馬がよく育つ」といえるわ
  けです。pp.194-195(『頭のよい子に育てために3歳から15歳のあ
  いだに今すぐ絶対や  るべきこと』川島隆太著(アチーブメント出版)より)

 
 米国国立睡眠財団は14~17歳の子の望ましい睡眠時間は8~10時間と報告しています。少なくとも7時間は睡眠時間を確保したいと報告しています。
 睡眠時間を削らずに時間を作り出すためには、どうしたらよいのでしょうか。池田潤氏は「何かをやめることだ」と言います。

・勉強量を増やすとは結局のところ、勉強以外の時間を減らし、勉強の時間を増やす
 という、しごくシンプルなことです。だからまず、自分の一日を整理してみて、無
 駄な時間を排除していくのです。優先的に排除していくのは、「緊急でもなく、重
 要なことでもない」活動。p.71
・大事なのは、まず何をやめるかを決めること。多くの人は、何かをやろうと思う一
 方で、何をやめるのかを決めていません。しかし、何かをやめないことには、何か
 をする時間など生まれません。勉強だって同じことです。今までと同じ生活をして
 いたら、勉強時間を増やすことなどできない。ということは、今までの自分の行動
 のなかから何かを「やめる」と決めることが必要になります。pp.73-74
   『勉強の結果は「机に向かう前」に決まる』池田潤著(サンマーク出版)より

 
 時間を作り出すのは難しいところですが、やりくりして1日30分でも多く確保できたら、結果として大きな時間を生み出せたことになります。校長 見目 宗弘

できない問題を何度でもやる(量の大切さ)

 ここから第2部「学習量」に入ります。
 学力を上げるには、やはり勉強量が必要です。量が結果を左右するのは、どの世界でも言えることではないでしょうか。齋藤孝先生は次のように言っています。

  学力をアップさせる基本は、とにかく問題を解くこと。野球で球をたくさん打た
  ないとうまくならないのと同じで、どれだけ勉強ができるようになるかは、解い
  た問題の量なのです。だから問題集は、よく選んでください。参考書と問題集を
  兼ね備えたような、解答が充実している問題集がいい。(中略)やり方として
  は、まずすぐに解けた問題は、二度とやらなくていい。でも、できなかった問題
  はマークをつけておいて、できるようになるまで何度でもやります。pp.
  177-178  『齋藤孝の勉強のチカラ!』齋藤孝著(宝島社)より

 
 齋藤先生は、勉強量が大切なこと、できない問題を何度でもやることが大切なことを述べられています。
 勉強しているのに成績が思うように伸びないという場合、その一因として、この「できない問題を何度でもやる」ということがおろそかにされていることが考えられます。
 何度でもやる方法は簡単です。例えば、数学の問題を1番から10番までやり、4番と7番と8番ができなかったとき、2回目は4番と7番と8番だけやります。2回目にやって、4番ができ7番と8番ができなかったら、3回目は7番と8番だけをやります。というように繰り返していくのです。できるところはやらないので短時間でできます。しかも、できないところを繰り返してやるので定着していきます。
 この発想は実力テストでも同じです。実力テストでできなかったところをリストアップしていくと、自分が強化すべき部分が見えてきます。 校長 見目 宗弘

学校だ!

校舎内に響く子どもたちの声。

校庭で遊ぶ子どもたちの声。

ついに、学校本格再開!

正直、疲れる!けれど、心地よい疲労感。
なんというか充実感。

学校が戻ってきましたね。

「当たり前」のありがたさってやつはすぐに忘れられてしまうもの。

日常のあわただしさに流されないように。

しっかり、目の前の「当たり前」に感謝しようと思います。

あぁ、コッペパンにイチゴジャム、、、おいしかったなぁ。