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達成感を味わうための小さな目標

 できなくてもよい願望(目標)は大きな気分になれるけれども、実際は実現できないことでだんだんとやる気が失せていってしまいます。心理学者のバンデュラという人は大きな目標に達するための小さな目標を考えました。

・人が何かに取り組む時には、目標が必要である。目標が明確である方が,取り組み 
 やすいし、意欲もわいてくる。しかし、遠隔目標、すなわち遠い将来の大きな目標
 では、その効果は半減する。(中略)バンデュラは、遠隔目標へと至る道筋の上
 に、できるだけ 身近で小さく具体的な目標を段階的に設定することによって、行
 動コストを押し下げ,「自分にもできそうだ」という感覚を高められるのではない
 かと考えた。これが、近接 目標の考え方である。また、バンデュラは、この「自 
 分にもできそうだ」という感覚を 自己効力と呼ぶ。算数を課題とした研究の結
 果、近接目標を与えられた学習に取り組ん だ子どもたちは、自己効力を高め、実
 際の成績も飛躍的にこうじょうさせることができた。(中略)毎日コツコツと努力
 するためには、毎日の努力を導く身近で具体的な目標が必要なのであり、「気合」
 だけではダメである。pp.189-191
        『学ぶ意欲を育てる 子どもが生きる学校づくり』奈須正裕著(金子書房)より

 
 バンデュラのいう小さな目標はクリアするたびに達成感を味わえるもので、自己肯定感を味わえます。大きな目標である願望(目標)と自己肯定感を味わえる小さな目標を組み合わせることで、やる気が持続します。      校長 見目 宗弘