安良沢小だより

2018年2月の記事一覧

校長室より・・・(授業あれこれ)

今回は授業風景について。


まずは「英語」です。

この日は、ご実家の事情で、年度途中で日本を離れることになってしまった「グラディス先生」が加わっての最後の授業です。

6年生は、3班に分かれて英語劇に挑戦しました。

校長と教頭もご招待いただいて「観劇」・・・「感激」しました。

日本語で演じるだけでも大変なのに、英語なら尚更です。

さすがに「バッチリ!」とまではいかなかったものも、必死さは伝わってきました。

それはそれで大きな収穫になったと思います。




















こちらは2年生です。低学年は、実際に話したり聞いたりという活動が主にして、まずは「英語に親しむこと」を主目的としますが、今回は、ちょっとだけ「文字として学習する英語」も出てきました。

私が小学生だった頃は、低学年のうちからネイティブの方に英語を教えてもらえるなんて

考えもしませんでした。

今の小学生は恵まれていますね。






続いて「生活科」でやった「凧揚げ」です。

最近は、凧を揚げている景色なんて、まず見ることがなくなりましたが、

こうして見ると子ども達は存分に楽しんでいます。

どうやったら高く揚がるのか、頭を使って工夫したり、手先を使って課題を解決したり、と、

たったこれだけのものを空中に浮かせるだけでも、かなり色々なことを考えるチャンスになります。














安良沢小にも、いい風が吹いてきました。


校長室より・・・二社一寺「卒業参拝」

「春近し」・・・2月中半を過ぎると、雪景色の中にもそんな空気が漂う季節になってきます。


安良沢小学校は、世界遺産の二社一寺のお膝元にあり、

伝統と誇り高き文化に満ちた「THE NIKKO」という立地にあります。


毎年この時期になると、地元の利をいただいて「卒業参拝」に出かけます。

幸い、学校評議員の中のお一人が二荒山神社と縁のある方で、

特別にご案内いただけるというありがたい環境にもあり、

今回は「参拝の様子」をお伝えできる許可もいただくことができました。

   

まずは、頭を垂れて「お祓い」をしていただきます。





巫女さんの奉納の舞も間近で・・・。

児童達は、(正座に耐えながらも)日光が持っている、厳粛な文化に深く触れていきます。



   


   


最後に、神主の方から「卒業に当たって」や「今後の生き方」について、お話をいただきました。

児童達は、(やはり「正座」に耐えながらも)真剣に聞いていました。





 

この他に、「東照宮」と「輪王寺」を合わせた二社一寺で、それぞれに参拝することができました。

どこの寺社でも、特別に案内の方がついて説明もしていただきながらの参拝でした。

子ども達には、今すぐには理解できない部分があるかもしれませんが、

心の根っ子には「確かなもの」が残ってくれたと思います。


御協力いただいた皆様には、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。



校長室より・・・園児との交流会

先日、地元の幼稚園・保育園児(含:来年度の入学児童)を招いて、交流会を実施しました。


同時開催の「入学説明会」の裏番としての実施だったため、

校舎内を案内したり、簡単なゲームをやったりと、

安良沢小1年生児童が中心となっての楽しい企画でした。

   
   
   

   

普段の学校生活では、上級生にお世話になることの多い1年生ですが、

この日は、一気に「お兄さん、お姉さん」となって、園児達を立派にリードしている姿が、

とても頼もしく見えました。


こういう場面を重ねることで、「環境が人を育てる」ということを、改めて感じる一日でした。

豆まき集会

今年も、安良沢小に鬼が乗り込んできました。
(去年、撃退したはずですが、こりずにやってきたようです)
「写真とるといいですよ。SNS映えしますよ。」と、ポーズをとるほどの余裕。
安良沢小の子ども達をなめていますね。

教室では、今か今かと、手に手に豆を持って待ち構えていました。




「福は内! 鬼は外!」



逃げ惑う鬼に対して、みんなの豆が飛んでいきます。
追い詰められる鬼たち!


なんと、そこへ、鬼の親分が乱入しました。
大変です!!



いえいえ、安良沢小の子ども達のパワーは、鬼になんて負けません。
鬼の親分に、みんなで一斉に豆をぶつけます。
「福は内! 鬼は外!」



さすがの親分も、これにはたまりません。
鬼達を引き連れ、鬼ヶ島へ逃げていきました。




鬼退治をしてくれた、安良沢小学校のみなさん、ありがとうございました。

校長室より・・・子ども主体の授業について考える(研修会)

今回は、子ども達の授業中の様子と合わせて、職員の研修の様子もお伝えします。

学校職員以外の人は、あまり目にする(した)ことはないと思いますが、

この機会に、ちょっとだけ覗いていただければありがたいです・・・。


先日、教育委員会の何名かの先生にお越しいただき、授業を見ていただきました。

更に、児童下校後にも時間を割いていただき、研修会を開催しました。

「子ども主体の授業」とはどのように組み立てていけばいいか、考える会です。

最初の授業は・・・

何種類かの「形の異なる長方形」をつなげ、直方体の展開図(?)を作る授業です。

「同じ長さの辺をつなげる」とか「組み立てたとき向かい合う面は同じ形にする」等、

決まった形に組み立てるための「共通する条件」を探し出す学習です。

まずは各自で考え、その後は友達同士で協力しながら答えを探します。

自身の目と手、想像力と感覚を使いながら、一人一人が答えを探していきます。

  


日本の教育は、これまで主流だった「記憶する学習」から

自分なりに考え自分なりの答えを見つけていく学習の形に変わってきています。

この授業でも、子ども達は、方眼紙と格闘しながら、頭の中で様々な考えをめぐらしていました。

授業の組み立てには改善が必要な部分はありますが、

多くの人が見ている前での授業は、私たち教師にも、そして一人一人の児童にとっても

貴重な体験となったことは確かです。


更に、そうやって導き出した自分なりの答えを、

次は自分の言葉で周囲に伝えることで学習は深まり、定着していきます。

さて、次の授業は・・・

ボールを使った簡単なゲームです。


大きな円の外から、中央の段ボール箱に向かって味方の何名かがボールを蹴ります。

相手は、中の小さな円で守りに就きます。

しかし、ここで最も重要なlことは、「チームで作戦を立てる」ことです。

形のないところから、協力して有効な手立てを創り上げていく作業です。

様々な知識や意見を集め、その使い方や組み合わせを検討していきます。

低学年なりに、真剣に取り組んでいました。

  

次は、立てた作戦を「検証する」番・・・「試合形式」で得点を取り合います。

  

勝敗がかかってくれば、俄然元気になりますね。

ご覧の通り、ディフェンスの構えもなかなかのものです。

放課後は授業研究会と研修会を開催しました。

  



どんなに経験を積んでいても、誰かに授業を見ていただくのは緊張するものです。

しかし、こうして第三者の目を通して自分の授業を外から見ることで、

子ども達によりよい授業を提供できるようになるための、大きなヒントをもらえることがたくさんあります。


今年度は残すところ2ヶ月を切ってしまいました。

これまで、校内においても、教員同士でこうした取組を重ねてきましたが、

やはり、普段から様々な授業を見て、検証してきた先生方に協力していただくと、

不確かだったものが、急に明確になることもあります。

また児童にも、時には、「知らない人」の視線を感じながらの授業が、

良い刺激となってくれることを期待して・・・。

校長室より・・・書写授業2

以前にもここで紹介させいただきましたが、せっかく安良沢小学校に勤務しているので、

ということで、その縁を大切に、現在は2年生~6年生の書写の授業を手伝わせてもらっています。

すると、低学年には低学年の、高学年には高学年の、それぞれの楽しさがあって、

たった1単位時間(45分)の授業の中でも、その都度小さな喜びがあります。


まずは高学年です。

「門」一文字を使って、平面(二次元)の中に立体感(三次元)を表現する・・・

もちろん、子ども達にはもう少しわかりやすく説明しましたが、

正直なところ「こんなことまで教えても、果たして?」と、半信半疑の気持ちもかなりありました。

しかし、しっかり頷(うなづ)きながら聞いている児童に意を強くさせられました。

それが全て生かされているとは言えなくとも、5・6年生は特に「起筆(=点画の書き始め)」から

「運筆(=線を書くときの筆の運び)」、更に「終筆(=最後のまとめ)」と、

それぞれの筆づかいに神経を使い、生きた線を書くことができるようになってきました。

真剣に紙に向か子ども達の姿に、教室には独特の空気感が漂います

若い可能性からは、指導者である私の方がエネルギーをもらいます。




(2本の長い縦画は、いわば「柱」です。

手前にある(と想定される)「右の縦画」の方を「左の縦画」より長く、かつ太く書くことで、

一気に立体感が出てきます。


続いて、ほぼ全学年に対して問いかけること・・・平仮名の起源です。

(例えば)「か」と「れ」二つの平仮名を、下の写真のように中心線に対する位置を変えて二通り示します。

その上で「どちらがよりよいか?」と聞いてみると、多くの学年で意見が分かれます。

さて、どちらがより適切でしょうか。




これも、子ども達に「元の漢字」と合わせて説明すると、容易に理解、吸収してくれます。

「どちらの平仮名も、元は「へん」と「つくり」のある漢字「加」と「礼」からできているので、

中心線をはさんで「へん」の部分と「つくり」の部分を書くといいですね」と・・・

つまり、両方とも左の方がより適切ということです。



最後は、毛筆ならではの「変な空間」。

下の「月」と「日」の「○」の部分が空いているのは何故か・・・HPをご覧の皆様も、少しお考えください。




いずれにしろ、こうして色々問いかけながら課題を出していくと、

子ども達は驚くほどの集中力で紙に向かってくれることがあります。

「ああ~ッ」と言って、うまくいかなかった文字を残念がったり、

上手に書けた作品を嬉しそうに持ってくる姿に出会ったりすると、

ここでも私の方がエネルギーをもらえます。


安良沢小学校児童の、あふれる好奇心に助けられながら、楽しい時間を過ごさせてもらっています。