安良沢小だより

校長室より・・・THE「書写」

2学期に入ってからチャンスがあり、現在、3年生~6年生の書写の授業を手伝わせてもらっています。




まずは「横画」から入り「縦画」、やがて「はらい」や「はね」まで。

書き始めの「起筆」から「運筆」、そして最後の「終始」へと、筆使いにはそれぞれ意味があります。なぜ、そう「入れる」のか、「運ぶ」のか、そして「仕舞う」のか。 また、楷書には楷書の、行書には行書の、草書には草書の筆の動きがあり・・・


そんな風に説明しながら実際に私が書いているところを見せてあげると、自分達が書く「楷書」は、いかに丁寧な筆運びが大切かを感覚として学んでくれます。

やがて、真剣に紙に向かう姿に始まり、ちょっとしたヒントで驚くほど「生きた線」を生み出す子や、何度もあきらめずにチャレンジする子など、その都度ハッとさせられる瞬間があります。見事な作品に出会うことも度々・・・子どもの可能性は無限大です。

書写の授業を通して、私も多くの“喜び”を得ていると感じられる瞬間が、楽しみな毎日です。


昭和の三筆と言われた偉大な書家の一人、手島右卿(てしま ゆうけい)氏は、生前、「書は、切ったら血の出るような線でなくては・・・」と表現されていました。

さすがにその意味は難しいとしても、筆使いの妙など、こちらが伝える努力さえ惜しまなければ、本物の持つ力は感じてくれる。 

小学生の真新な感性に触れ、改めてそんな風に感じています。